電機子チョッパ制御車の“ジェット音”の正体とは?201系・203系で聞こえる独特なモーター音の仕組みを解説

鉄道、列車、駅

鉄道ファンや乗客の中には、201系や203系などの古い通勤型電車に乗ると「キーン」「ウィーン」といったジェット機のようなモーター音を聞いた経験がある方も多いのではないでしょうか。実はこの音、電機子チョッパ制御という方式に深く関係しています。

電機子チョッパ制御とは?基本のしくみ

電機子チョッパ制御とは、直流電動機への電圧を高速でオン・オフ(断続)することで出力を制御する方式です。1970年代から90年代にかけて多くの通勤電車に採用されました。

具体的には、回路中にあるサイリスタと呼ばれる半導体素子が高速で電流の通電・遮断を繰り返すことで、擬似的に電圧を制御しています。この切り替え周波数が数百Hz〜数kHzにも達し、その高周波が音として聞こえるのです。

なぜ“ジェット音”のように聞こえるのか?

電機子チョッパ制御による高周波スイッチング音は、人間の可聴域(20Hz〜20kHz)に入るため耳に届きます。しかも、加速中に電圧・周波数が変化するため、音の高さも変動し「ヒューン→キィーン→ウィーン」といった音階を描きます。

これがまるでジェットエンジンのように聞こえる原因であり、チョッパ音とも呼ばれる特徴的な現象です。

201系・203系での具体的な音の特徴

たとえば201系は1981年から導入された国鉄初のチョッパ制御車で、「ウィーン」と一定音程から高くなっていくモーター音が特徴的でした。203系も同様の制御方式を採用し、地下鉄千代田線直通対応のため静粛性と加速性能が重視されていました。

チョッパ音は鉄道ファンにとって「個性ある音」として人気があり、YouTubeなどにも録音記録が数多くアップされています。

他の制御方式との音の違い

チョッパ制御以外にも、以下のような制御方式では音の特徴が異なります。

  • 抵抗制御:初期の通勤型車両に多く、音はほとんど聞こえず、段階的な加速。
  • VVVFインバータ制御:現在主流。電子音が多く、独特な音階変化(ドレミファ音など)を生む車種もあり。

チョッパ制御車は、まさに“中期世代”ならではのサウンド体験を提供しています。

技術とノスタルジーが融合するチョッパ車

現在、電機子チョッパ制御車は多くが引退しつつありますが、一部の地方私鉄や博物館でその走行音を体験できる場も残っています。鉄道の技術発展史を知るうえでも貴重な存在です。

また、ジェット音に似たチョッパ音は、単なるノイズではなく、高周波スイッチング技術の副産物として生まれた“技術の音”とも言えるでしょう。

まとめ:ジェット音の正体は「電機子チョッパ制御の高周波」

201系や203系で聞こえる独特の加速音の正体は、サイリスタによる高速スイッチング制御から生じる高周波音です。ジェット音のように聞こえるのは電圧の変化に伴う周波数変化が原因であり、チョッパ制御車ならではの個性でもあります。

技術と音の融合による体験は、単なる移動手段を超えた“音で感じる鉄道”の世界へ誘ってくれます。

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