パスポートの申請時にはいくつかの書類が必要ですが、「戸籍謄本」が必須かどうかは申請内容によって異なります。また、海外での万が一の紛失時に備えての持参書類についても事前に理解しておくことが安心に繋がります。
初めてのパスポート取得時は戸籍謄本が必須
初めてパスポートを取得する場合は、本人確認と国籍確認のために戸籍謄本(または戸籍抄本)が必ず必要です。市区町村の役所で取得可能で、発行から6ヶ月以内のものを提出する必要があります。
また、結婚や離婚、氏名変更など戸籍に変更があった場合の更新(記載事項変更旅券)でも戸籍謄本が必要です。
有効期限が切れた場合の再取得と戸籍の扱い
以前パスポートを取得したことがあり、現在の戸籍上の情報と変更がない場合、戸籍謄本の提出は不要な場合があります。ただし、前回の旅券の原本が必要です。
そのため、有効期限が切れたパスポートを所持している方でも、戸籍に変更がないか、パスポートに旧姓・旧本籍地などが記載されていないかを事前に確認しましょう。
住民票は原則不要、その理由とは?
住民票は、住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)で確認できるため、通常は提出不要です。ただし、住民登録のある自治体以外で申請する場合や、住基ネットによる照会ができない場合は例外として求められることがあります。
心配な場合は、事前に旅券センターへ問い合わせると確実です。
海外でパスポートを紛失・盗難した場合の対応と戸籍の役割
パスポートを海外で紛失または盗難された際には、現地の大使館や領事館で「帰国のための渡航書」や「新規パスポート」を発行してもらうことが可能です。
この際に必要な書類の一つが戸籍謄本または戸籍抄本。現地で取得することは困難なため、あらかじめコピーまたは原本を持参する、あるいは戸籍を管理している家族に郵送を依頼できるように準備しておくと安心です。
実例:旅行先で紛失し戸籍が役立ったケース
タイ旅行中にスリ被害に遭いパスポートを盗まれたAさんは、あらかじめ家族に戸籍謄本のコピーを預けていたため、すぐにPDFで送ってもらい、バンコクの日本大使館で渡航書を発行してもらえました。
戸籍謄本がなければ日本から取り寄せる必要があり、数日以上の足止めとなっていた可能性がありました。
まとめ:必要性を理解し、準備を万全に
戸籍謄本は申請内容によって必要かどうかが異なりますが、海外での緊急時対応を考えるとコピーの持参や家族への託しが非常に有効です。初回申請や記載変更では必須書類となりますので、しっかり準備しましょう。
安心して海外へ出かけるためにも、事前準備を怠らないことが旅の安全を支える第一歩です。


コメント