駅の窓口で発行される乗車券類は、券売機で購入するものよりも印字が濃く、くっきりしていることに気づいた方も多いかもしれません。この違いには明確な理由があり、印刷方式や使用機材に関わるものです。この記事では、その仕組みや例外について詳しく紹介します。
窓口発行の乗車券が濃い理由
主な理由は使用されている印刷機の種類と印刷方式の違いにあります。窓口で使われているマルス(MARS)端末は、業務用に開発された高性能な発券システムです。
このマルス端末では、感熱方式ではなく「インパクトプリンター」(リボン式)を採用していることが多く、インクリボンを叩きつけて印字するため、文字がしっかりと濃く出ます。
券売機や一部簡易端末の印字との違い
一方で自動券売機では感熱方式が一般的です。感熱紙に熱を加えることで文字を浮かび上がらせる方式で、リボン不要なためコスト面で優れていますが、時間が経つと文字が薄れるというデメリットがあります。
また、駅によっては簡易端末での発券となるケースもあり、その場合は感熱方式かリボン式かで濃さが変わります。印字が薄い場合は感熱式の簡易端末の可能性があります。
実際に薄く発行されることもある?
はい、あります。窓口であっても、リボンのインク残量が少なかったり、印刷ヘッドの劣化などで印字が薄くなることがあります。
また近年は、マルス端末でも一部で感熱式のプリンターに更新されているケースがあり、その場合は見た目が券売機のものに近づくこともあります。
どこで濃い券を入手できる?
濃くはっきりとした印字のきっぷを求めるなら、主要駅の有人窓口(みどりの窓口)を選ぶのが無難です。特に大きな駅では従来のマルス機器が使われており、安定した印字品質が期待できます。
旅行の記念にする場合や、長期間保存したい場合などは、窓口発券のきっぷをおすすめします。
おまけ:印字の保存性について
インクで印字された券(マルス式)は経年劣化が遅く、感熱式に比べて保存性に優れています。一方、感熱式は直射日光や高温で退色するリスクが高いです。
鉄道ファンの中には、窓口で印字された乗車券をラミネート加工して保存する方もいます。
まとめ
・窓口発行の乗車券が濃いのは、インパクトプリンター方式によるもの。
・自動券売機は感熱方式が主流で、印字はやや薄め。
・窓口でも設備や劣化によって薄いこともある。
・記念保存には窓口発券がおすすめ。
普段何気なく手にしている乗車券にも、実はさまざまな技術と工夫が込められているのです。


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