乗客ゼロでも飛行機やフェリーは運航するのか?交通機関ごとの運行判断の実態

鉄道、列車、駅

離島航路や地域路線など、利用者が限られる交通機関において「乗客がゼロ」のケースは実際に起こり得ます。では、そのような場合でも、飛行機やフェリーは運航されるのでしょうか?鉄道と異なる運用事情について、具体例を交えて解説します。

鉄道と違って柔軟な運航判断が可能な船・航空機

鉄道はダイヤ通りの運行が基本であり、たとえ乗客がいなくても定刻通りに出発することがほとんどです。これは運行スケジュールが厳密であり、他の列車との接続や信号システム、保守作業などと密接に関係しているためです。

一方、フェリーや航空機はより柔軟な運航判断がされることがあります。特に地方路線では「運航コスト」「目的地の天候」「貨物の有無」などによって、便の運航を取りやめることもあります。

飛行機の場合:乗客ゼロでも運航することがある

航空機は「フェリー便(回送便)」として乗客ゼロで飛行することが可能です。これは航空機を次の就航地に移動させる必要があるためで、機体整備や次の便のスケジュールに支障をきたさないようにするための措置です。

たとえば、ある離島便で午前中の便が乗客ゼロでも、その後の繁忙時間帯に乗客が見込まれている場合、機体を移動させる必要があるため空で飛ばすことがあります。パイロット・副操縦士・整備担当者のみが搭乗することもあります。

フェリーの場合:貨物の有無が大きな判断基準

フェリーは旅客だけでなく貨物輸送の役割も担っており、貨物がある場合はたとえ乗客ゼロでも運航するケースがあります。特に離島への生活物資や郵便・宅配便などの輸送がある場合、航行は不可欠となります。

一方で、旅客・貨物ともに予約ゼロの場合、船会社の判断で「欠航」や「運休」となることがあります。たとえば、長崎県の五島列島航路などでは事前予約がないと出港しない「予約制運航」を行う路線もあります。

運航の前提にある「安全管理」と「運航効率」

航空機・船ともに、運航には多大なコストと人員、設備が必要です。特に航空機は、運航にかかる燃料・管制との連携・着陸料などが高額で、収支がシビアです。それでも「次の便を成立させるため」や「保守スケジュール維持のため」に運航されることがあります。

また、乗客がいなくても貨物のみ運ぶことで地域の生活や産業を支える役割を果たしている点も見逃せません。

実際の事例:地方航空・フェリーの対応

鹿児島県の離島航路では、乗客ゼロでも貨物輸送のために船が出港することがあります。屋久島航路では天候不良で乗客がキャンセルしても「物資の輸送のために出す」といったケースもあると報道されています。

また、北海道のRAC(琉球エアーコミューター)では、与那国便で予約がゼロでも飛ばすことがあるとされています。これは次便への接続便としての役割や、機体のローテーションが理由です。

まとめ:旅客ゼロでも運航されることはあるが条件次第

船や飛行機は、鉄道と異なり「乗客ゼロ=即中止」とは限りません。貨物輸送、機材の移動、次便への影響など、さまざまな理由で運航されるケースが多々あります。

ただしそれもすべて「運航判断」によるものであり、事前予約が重要視される場面もあるため、利用予定がある場合は必ず早めの予約・確認を行うことをおすすめします。

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