パスポートのオンライン申請では、自動変換でローマ字表記が設定される場面があります。しかし、「Kokoro」ではなく「Cocoro」にしたいといったように、自分の名前の英字表記にこだわりがある方にとっては、自動変換のままでは納得できないケースもあるでしょう。この記事では、パスポートに記載するローマ字の表記について、変更が可能なケースやその申請方法について解説します。
パスポートのローマ字表記は原則ヘボン式
日本のパスポートでは、氏名のローマ字表記には原則としてヘボン式が用いられています。これは、外務省の定める規則に基づいており、「し」は「shi」、「ち」は「chi」など、発音に基づいた英字綴りが標準です。
たとえば「こころ」は「Kokoro」となるのが通常の変換です。しかし近年は、希望により「Cocoro」などの綴りにすることも一部認められています。
ヘボン式以外の綴りは申請で変更可能
希望するローマ字表記(別綴り)を使用するには、オンライン申請で自動変換された表記とは別に、窓口で別綴り使用の申出を行う必要があります。
その際、次のような書類や資料の提示を求められることがあります。
- 英字表記が確認できる公的書類(例:運転免許証(英字)、保険証、学生証など)
- 航空券、外国の学校の証明書、海外でのIDカードなどにその表記が使われている場合
これらを用意して、「Cocoro」で使用したい旨を説明すれば、担当官の判断によって承認されるケースが多いです。
オンライン申請では変更入力はできない
現時点でパスポートのオンライン申請では、氏名の英字表記に対する自由な編集機能は提供されていません。そのため、「Kokoro」で自動変換されたまま発行の準備が進んでしまう可能性があります。
もし別綴りを希望する場合は、オンライン申請ではなく、初めから窓口での申請を選ぶのが確実です。すでにオンライン申請してしまった場合でも、発行前であれば窓口での相談は可能です。
実際の事例:「Shou」や「Ryou」なども希望が通る
「しょう(Shou)」を「Sho」、「りょう(Ryou)」を「Ryo」など、音のイメージに合った表記を希望する人も増えています。これらも窓口での別綴り申出により認められることがあります。
また、「じゅん」を「Jun」ではなく「June」、「たいち」を「Taichi」ではなく「Tyche」などといった特殊な例は認められないこともあります。あくまで読み方と一致していて、公的な書類などに使用実績がある表記であれば柔軟に対応される傾向です。
まとめ:希望の英字表記は窓口での申請で対応可能
パスポートのローマ字表記を「Cocoro」など希望通りにしたい場合は、オンライン申請ではなく窓口申請を利用し、必要に応じて別綴りの希望とその根拠を伝えましょう。過去に英字での表記実績がある資料を持参すれば、スムーズに受け入れられる可能性が高くなります。
旅券は海外での身分証となる大事な書類ですので、自分にとって納得できる形で作成できるよう、事前の確認と準備をしっかり行いましょう。


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