高速道路の合流地点で、前の車や他の車両が一気に加速して本線へ入っていく様子を見て「そんなに急がなくても…」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、実はあのスピードアップには安全性と交通の流れを保つための重要な理由があるのです。本記事では、その理由と正しい合流の仕方について解説します。
■ 合流時の加速は「本線との速度差をなくす」ため
高速道路の本線を走っている車は、通常時速80km〜100km程度で流れています。もし合流車線から時速40〜50kmで進入すれば、合流時に大きな速度差が生じ、後続車との追突リスクが高まります。
そのため、合流車線(加速車線)ではスピードを上げて、可能な限り本線の流れに近づけることが求められます。これは道路交通法でも推奨されている基本行動です。
■ 道路交通法における合流の考え方
道路交通法第20条および第75条では、高速道路への合流について「安全に合流するために、他の交通に注意し、必要に応じて加速すること」と記載されています。
また、JAF(日本自動車連盟)も公式サイトで「本線に入る前には加速し、ミラーや目視で安全を確認するように」と明示しています。
■ 合流時にありがちな誤解と注意点
・「ゆっくり入れば安全」は逆効果
合流地点でスピードが遅すぎると、後続車がブレーキを踏む必要が出て、かえって事故の原因になります。
・「本線側が譲るのが当然」ではない
もちろん本線側のドライバーも合流を意識する必要はありますが、合流する側の責任として、加速してスムーズに入ることが基本です。
■ 実際の合流の仕方とポイント
・合流直前にウィンカーを出すのではなく、早めに合図を出す
・アクセルを一定にしながら加速レーンの中でしっかり速度を上げる
・ミラーと目視で本線車両の位置を確認し、タイミングを図る
・本線の後ろに無理に入ろうとせず、空いているスペースを狙う
・怖がらず、流れに乗る気持ちが大切
■ 高速道路初心者にも安心な対応策
・同乗者に「合流見ててね」と声をかけることで安心感アップ
・ナビで事前にIC(インターチェンジ)構造を確認して心の準備をする
・最初は交通量の少ない時間帯を選んで走行することで経験を積む
・不安な場合は一度教習所のペーパードライバー講習を活用するのも効果的です
■ まとめ:合流時の加速は「安全のため」の行動
高速道路での合流時にスピードを出すのは、危険な運転ではなく、むしろ安全に走行するための正しいテクニックです。速度差をなくし、スムーズに合流することが交通の流れを保ち、事故のリスクを減らします。
ゆっくり=安全、という感覚は高速道路では通用しない場面もあるため、正しい知識を身につけて、安全なドライブを心がけましょう。

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