首都高速道路を走行していると、右側車線を一定の速度で走り続けている車に遭遇することがあります。これは本来「追越車線」であるべきところを「走行車線」と勘違いしている可能性があります。この記事ではその背景と理由、道路交通法上の考え方、そして安全な運転のためのポイントを解説します。
■ 首都高における右側車線の位置づけ
一般的な高速道路では、最も右側の車線は追越車線とされており、追越しの目的がない限り走行を続けることは望ましくありません。しかし、首都高は構造上の事情から例外が多く存在します。
たとえば、合流や分岐が頻繁にあるため、走行車線と追越車線が明確に分かれない区間が多く存在します。これが「右側=追越車線」という認識が曖昧になる一因です。
■ なぜ勘違いが起きるのか?その背景
多くのドライバーが首都高を「都市高速」として扱い、追越しを意識しないまま右側を走る傾向があります。また、他の車線が混雑していると、右側が空いている=走っていいと解釈されやすいという心理的な要因も関係しています。
さらに、教習所では東名・名神のような典型的な高速道路を前提に学ぶことが多く、首都高特有のルールや運用の実態についてはほとんど触れられません。
■ 警察や道路交通法の見解
道路交通法第20条では「追越しは右側で行うこと」と規定されていますが、「追越車線」の明確な定義はなく、道路構造により例外も認められています。
警察庁も、公式ページなどで「追越し後はできるだけ速やかに左車線に戻るよう努めるべき」としており、法律違反には当たらなくともマナーや円滑な交通の観点で推奨されていません。
■ 実例:右側車線走行によるトラブル
例えば、東京湾岸線で右側車線を一定速度で走る車が後続車の追越しを妨げ、クラクションや煽り運転に発展したケースも報告されています。
また、分岐点直前で右側から急に進路変更する車がいたことで追突事故に繋がった例も。こうしたケースでは、正しいレーンの選択が重大な安全要因になります。
■ 右側走行の注意点と対策
・追越しの後は速やかに左へ戻る意識を持つ
・カーナビで事前に分岐・出口を確認しておく
・混雑時でも、必要以上に右車線を占有しない
・他車の動きに応じて柔軟に対応する
上記を意識するだけでも、首都高での円滑な運転・トラブル回避に大きく貢献します。
■ まとめ:首都高は“例外”の多い道、だが基本ルールは意識しよう
首都高では構造上、右側が必ずしも追越車線とは限りません。しかし、基本的には「右側は追越しに使用し、通常は左側を走行」という原則を守る意識が重要です。
勘違いが生まれる背景には、道路設計・教習・交通量などさまざまな要因がありますが、安全運転の観点からも、走行レーンの選択は常に意識しておきたいところです。


コメント