市・町・字が同じ名称で構成される地名の実例とその背景

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日本の住所表記には、稀に市・町・字(あるいは大字)がすべて同じ名前で構成されるユニークな地名が存在します。代表例として有名な「志布志市志布志町志布志」以外にも、実は同様の構成を持つ地名がいくつか存在します。本記事では、こうした重複地名の実例と背景に迫りつつ、その成り立ちや制度的な側面も交えて解説します。

市・町・字が同名になる住所構成とは?

まず、住所の構成は通常「都道府県」「市区町村」「町(大字)」「丁目・番地」の順に細分化されます。このうち「市」「町(または区内の町名)」「字(または大字)」の3階層で同じ地名が連続する場合、それが話題の“3重地名”です。

こうした住所は、自治体の統廃合や旧地名を残す形での町名再編が関係しています。特に平成の大合併以降、旧町村名や大字名がそのまま残った例が多数見られます。

有名な例:志布志市志布志町志布志

鹿児島県志布志市にある「志布志町志布志」は、この種の地名の中でも全国的に有名です。市役所志布志支所が所在するこの地は、話題性も相まってしばしばメディアにも取り上げられます。

この地名は、平成の市町村合併により旧志布志町が志布志市となった際、町名・字名が残った結果として誕生しました。

志布志以外にも存在する同名地名の実例

以下に「市・町・字」など複数階層で同名が連続する他の例をいくつか紹介します。

  • 西之表市西之表(鹿児島県):種子島にある市で、市名・町名が一致
  • 名張市名張町名張(旧住所):三重県の旧表記に見られた3重構成
  • 鳥栖市鳥栖町鳥栖(旧表記/佐賀県):平成以前に使用されていた住所
  • 中津川市中津川(岐阜県):市と町名が同一で、大字名も同様だった例

これらは住居表示の制度変更や合併の結果として生まれたものであり、現在の住所表示では簡略化されている場合もあります。

なぜこのような重複地名が生まれるのか?

こうした地名が生まれる背景には、以下のような要因があります。

  • 合併により市町名が変わっても、旧町村名を尊重し大字や町名として残したい
  • 住民にとって馴染み深い名称を残すことで混乱を防ぐ
  • 住所変更による手続きの煩雑さを回避

その結果、市名・町名・字名の全てが同一となるケースが生まれるのです。

郵便・行政処理上の影響は?

このような地名は話題性がありますが、実務面では混乱が生じやすいとされます。特に郵便物の誤配送や、システム上での文字列一致によるトラブルが報告されています。

自治体や郵便局では補足的な番号付与や備考を加えるなどの対策を講じていますが、根本的な解消は難しいとされています。

まとめ:重複地名は地元の歴史や制度の積み重ね

志布志市志布志町志布志のような三重地名は、単なる言葉遊びではなく、自治体の歴史・住民意向・行政手続きなどが複雑に絡み合って成立したものです。

他にも類似した住所表記は全国に点在しており、それぞれに地元の事情や背景があります。こうした地名に触れることで、日本の地理と制度の奥深さを再認識できるかもしれません。

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