なぜベトナムの空港ではいまだに手動の出入国審査が行われているのか?現地事情と国際比較から見る理由

飛行機、空港

海外旅行での“最初の関門”ともいえる空港の出入国審査。最近では、顔認証や自動ゲートを導入してスムーズな処理を行う国が増えてきましたが、東南アジアの中でもベトナムは今なお人の手による審査が主流です。なぜこのような違いがあるのでしょうか?今回は、ベトナムの空港におけるアナログな出入国審査の背景や他国との比較を交えながら、理由を紐解いていきます。

ホーチミン・ノイバイなど主要空港の審査スタイル

ベトナムの玄関口となるホーチミンのタンソンニャット国際空港やハノイのノイバイ国際空港では、現在も大多数の入国審査が「有人カウンター方式」で行われています。

パスポート・搭乗券の提出→審査官による目視チェック→スタンプの押印という流れは、かつて多くの国で主流だった方法です。自動化ゲートは現時点で外国人旅行者にはほぼ導入されていません。

一方、日本や韓国、シンガポールでは「パスポートスキャン+顔認証」による自動化が進み、待ち時間が大幅に短縮されています。

ベトナムが自動化を進めにくい理由

ベトナムがいまだに人手中心の審査を行っている背景には、いくつかの要因があります。

  • 制度・法制度面の遅れ:顔認証などバイオメトリクスを出入国審査に公式採用するためには、法律整備やプライバシー保護の法的枠組みが不可欠です。
  • インフラ・投資コスト:全ゲートに専用端末・スキャナーを導入し、通信ネットワークと連携させるには大きな予算と継続的なメンテナンス体制が必要です。
  • 外国人入国管理の慎重さ:国際犯罪・不法就労対策の観点から、人による審査を重視する方針が継続されているとも言われています。

特に「査証(ビザ)」に関する制度が厳格なベトナムでは、人間の目で確認する信頼性を維持したいという姿勢が現れています。

東南アジア諸国との比較

同じ東南アジアでも、対応は国によって異なります。例えば。

  • シンガポール:チャンギ空港では外国人でもe-Gate(自動化ゲート)が利用可能。日本のパスポート所持者も登録なしで利用できることが多いです。
  • タイ:スワンナプーム空港ではタイ国民のみ自動ゲート使用可、外国人は基本的に有人カウンター。
  • マレーシア:クアラルンプール空港では2023年から一部外国人にも自動化ゲートを段階的に開放中。

このように、東南アジアでも対応にかなりの差があるのが実情です。

将来的な自動化の動きと現状

ベトナム政府も空港のスマート化に向けた取り組みを進めており、2025年以降を目処に、バイオメトリクス技術の導入計画が段階的に予定されています。

ホーチミン新空港「ロンタイン国際空港」の開発計画では、自動化ゲートの整備も検討されていますが、実用化までは数年単位の時間を要する見込みです。

それまでの間は、旅行者にとっては従来通りの有人審査対応が必要であり、渡航時の混雑には余裕を持った行動が求められます。

旅行者ができる対策と心構え

出入国に時間がかかると分かっていれば、以下の対策が有効です。

  • 早めの空港到着:国際線はフライトの3時間前に到着しておくと安心です。
  • 到着・出発ピーク時間を避ける:午前9~11時、夕方17~20時は混雑しやすい傾向があります。
  • スマホでeビザ情報の準備:紙の印刷だけでなく、スクリーンショットも提示できるように。

加えて、英語での簡単なやり取りや入国カードの記入内容を事前にチェックしておくことで、よりスムーズに審査を通過できます。

まとめ

ベトナムの空港で出入国審査がいまだ人手で行われているのは、制度・予算・安全管理の観点から必然的な事情があります。先進国のような自動化が進んでいない一方で、今後は段階的にスマート化されていく可能性も十分にあります。

旅行者としては、「まだ自動化されていない」という前提で行動計画を立て、時間に余裕を持って行動することが、トラブルを避ける最大のポイントといえるでしょう。

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