ヨーロッパ旅行や長期滞在を考えるとき、「現地にエアコン(クーラー)はあるのか?」という疑問は意外と重要です。特に夏の暑さが厳しくなる中、スウェーデン・アイルランド・デンマークといった比較的涼しいイメージの国でも、冷房設備の有無が気になる方は多いでしょう。この記事では、それぞれの国におけるエアコン普及率や実際の生活事情、宿泊施設や公共空間での設備状況について詳しくご紹介します。
スウェーデン:家庭用エアコンはごく少数派
スウェーデンでは、一般家庭でエアコンを設置している例は非常に稀です。年間を通して冷涼な気候であり、夏の気温も最高で25〜28℃前後と控えめなため、伝統的には冷房設備は必要とされてきませんでした。
ただし近年は気候変動の影響で真夏の猛暑日(30℃超)が出現することもあり、特に都市部の新築住宅や高級アパートメントでは、ポータブルクーラーやヒートポンプ機能付きの空調設備を備えるケースが増えつつあります。
ホテルやオフィスビルは比較的整備されていますが、格安宿泊施設ではエアコンのない部屋も多く、予約時に確認が必要です。
アイルランド:ほぼ冷房設備は不要とされる国
アイルランドは海洋性気候の影響で、夏でも気温は20〜23℃程度が一般的。「エアコンは贅沢品」という感覚が根強く、ほとんどの家庭や商業施設においても冷房は設置されていません。
多くのアイルランド人は「窓を開けて風を通す」ことで暑さをしのぐ文化を持っており、扇風機すら持っていない家庭も少なくありません。
例外として、大型ショッピングセンターや空港、国際チェーンのホテルでは冷房付きの空調設備があることもありますが、一般的には「エアコンのある部屋は特別扱い」とされています。
デンマーク:近年徐々に冷房ニーズが増加
デンマークもスウェーデン同様、冬季の暖房設備は非常に充実している一方、冷房は必須ではないという認識が一般的です。ただしコペンハーゲンなどの都市部では近年の猛暑を受けて、ビルやホテルでの空調導入が進んでいます。
エネルギー効率の観点から、デンマークでは「ヒートポンプ式」の空調設備を導入する家庭も増加中。これは冬の暖房・夏の冷房を兼ねるエコ設計で、北欧ならではの合理的な選択肢です。
とはいえ、個人宅や安価なゲストハウスには冷房がないケースがまだまだ主流です。
旅行者が気をつけるべきポイント
- 宿泊施設の設備を事前に確認:特にBooking.comやAirbnbでは「エアコン付き」フィルターで検索できます。
- ポータブルファンや冷感グッズを持参:現地購入できない地域もあるため、携帯用の暑さ対策は効果的です。
- 気温に惑わされない体感温度の違い:湿度が低くても日差しが強いため、意外と暑さを感じる場面もあります。
まとめ
スウェーデン・アイルランド・デンマークはいずれも冷涼な気候を持つため、家庭用のエアコンは一般的ではありません。ただし気候変動による猛暑日や国際化の進展によって、都市部のホテル・商業施設を中心に冷房設備は徐々に整備されつつあります。
夏季にこれらの国を訪れる際は、事前の宿泊設備確認と携帯用の暑さ対策グッズを用意することで、快適な滞在が実現できます。


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