航空機は鉄道車両とは異なり、世界中を飛び回る運用が基本です。そのため、車両基地のような常設の「車庫」がないように見えるかもしれません。しかし、実際には各航空会社が様々な仕組みを用いて機材の整備や保管を行っています。この記事では、大手航空会社の格納庫や駐機、整備体制について詳しく解説していきます。
航空会社は必ず格納庫を持っているわけではない
大手航空会社でも、自社格納庫を複数空港に持っている場合と、拠点空港のみ所有している場合があります。例えば、ANAやJALは羽田・成田・関空など主要空港に自社整備場(格納庫)を保有していますが、全ての空港にあるわけではありません。
一方で、格納庫を持たない地方空港などでは、駐機スポットでの簡易整備や、提携整備会社による対応が一般的です。
駐機スポットは格納庫の代替になるのか?
駐機スポットは、航空機が運航の合間に一時的に駐車する場所です。特に夜間駐機などで利用されることが多く、必ずしも格納庫に収納する必要はありません。悪天候や保安上の理由で格納庫に入れることはあっても、運用上は駐機場で問題なく過ごせます。
ただし、整備や点検作業を本格的に行う場合は、格納庫などの整備施設が必要になるため、定期的に本拠地へ戻る運用がなされます。
航空機の整備はどこで行われているのか
航空機の整備には「ライン整備(軽整備)」と「ベース整備(重整備)」があります。前者は空港の駐機場で短時間で行う点検作業で、毎日の出発前チェックなどが含まれます。
一方で、後者は格納庫などの専用設備が必要で、CチェックやDチェックと呼ばれる長期・大規模な整備を指します。これらは定期的に拠点空港の整備施設で行われます。
航空機に「車庫証明」のような制度はある?
鉄道車両のように「この車両はこの車庫に所属する」という明確な所属証明制度は航空機には存在しません。ただし、各航空会社が保有機材ごとに「ベース空港」や「整備拠点」を決めて運用しています。
このため、航空機はスケジュールに応じて各地を飛び回りつつも、数日~数週間単位で自社整備場に戻るように調整されています。航空局(国土交通省)への登録情報には整備や保守に関する記載があり、法的な運用管理は厳密です。
実例:ANAの格納庫運用
ANA(全日本空輸)は羽田空港のANA機体整備工場で、定期的な重整備を実施しています。一般にも見学できるこの整備場では、大型機材であるボーイング787や777のDチェックが行われます。
一方、那覇や福岡などにも簡易整備ができる施設を設けており、各地で効率的に機材を運用できるよう設計されています。
まとめ|航空機は世界を飛び回りつつも、整備と保管はしっかり管理されている
航空機は格納庫が限られる中でも、駐機スポットや整備拠点をうまく使い分けることで、世界中で効率的に運用されています。鉄道とは異なる運用形態ながら、整備体制や運行管理は非常に精密に設計されており、安全性確保に抜かりはありません。
つまり、格納庫の有無に関係なく、航空会社は綿密なスケジュールと点検体制により、信頼できる空の旅を実現しているのです。


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