日本各地のバス事業者では、特定の車両メーカーに偏った導入方針を取っているケースが見られます。特に関東圏で目立つのが、国際興業のいすゞ車への特化です。本記事では国際興業以外でも同様の傾向を持つバス事業者を紹介しながら、その背景にある事情やメリットについても掘り下げます。
国際興業が「いすゞ車両」にこだわる理由
国際興業は東京都・埼玉県を中心に路線バスや観光バスを展開する大手事業者ですが、その所有車両のほとんどが「いすゞ自動車」製です。これは長年の車両整備やパーツ供給の効率化、社員教育の標準化を目的とした運用方針の一環です。
また、国際興業はいすゞと長い取引関係を持ち、仕様のカスタマイズ対応などで相互信頼を築いてきた背景もあります。
西日本鉄道(西鉄バス)と三菱ふそうの強固な関係
福岡を拠点に九州全域へ路線網を広げる西日本鉄道(西鉄)は、三菱ふそう製のバスを多く採用していることで知られています。特に都市部向け路線車両では、「エアロスター」シリーズの導入率が高く、整備網や部品共有の効率性が評価されています。
同社は一定期間ごとに車両を一括更新する方針を取っており、メーカー統一はその中で重要な施策となっています。
名古屋市交通局と日野車への依存
名古屋市交通局では、主に日野自動車製のバスを中心に導入しており、「ブルーリボンII」や「レインボー」などが多く使われています。これは名古屋市内の地元ディーラーとの関係性、入札条件の統一性などが要因とされます。
導入から保守・廃車までを一括で効率よく行うため、複数メーカー混在による整備複雑化を避けているとも言えます。
地方でも見られるメーカー偏重の例
- 北海道中央バス:日野製車両が多く、寒冷地対応仕様で統一しやすいため。
- 広島電鉄(バス事業):三菱ふそうのエアロミディを多数保有。
- 長崎県営バス:いすゞ車中心で保有台数の更新効率が高い。
地方の中規模事業者では、少ない整備人員や予算の中で最大限の運用効率を目指すため、単一メーカーへの絞り込みは合理的な判断です。
メーカー統一のメリットと注意点
特定メーカーへの車両集中には以下のような利点があります。
- 整備部品やノウハウの集約ができる
- 運転士・整備士の訓練効率が上がる
- 中古車売却時の流通にも一貫性が出る
一方で、特定メーカーの供給遅延・技術的な問題に影響を受けやすいというリスクもあります。
まとめ:車両統一は経営戦略のひとつ
国際興業のいすゞ車偏重は例外ではなく、全国のバス事業者でも同様のメーカー集中戦略が多数存在します。背景には、整備効率・運用コスト削減・地元との関係性といった複数の要因が絡んでおり、事業運営上の合理的判断といえるでしょう。
今後も脱炭素化やEV化の流れの中で、どのメーカーと連携を深めるかがバス事業者にとって重要なテーマとなっていきそうです。


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