2030年に向けて世界経済は大きな転換期を迎えています。かつては「発展途上国」とされた国々の多くが急速に成長し、一人当たりGDPや国家全体の経済規模で見ても、先進国に近い水準へと変化を遂げつつあります。本記事では、IMFの経済予測をもとに、発展途上国が減少し、代わりに中進国・先進国が増えていく構造変化を解説します。
そもそも「発展途上国」とは何か?
発展途上国とは、経済的・社会的に発展段階が低いとされる国々の総称であり、国際的には明確な定義はありません。IMFや世界銀行では、主に「一人当たりGDP」や「経済構造(工業化率・教育水準など)」を基準として分類されています。
これに対し、「中進国(中所得国)」や「新興国(エマージングマーケット)」という分類は、発展途上国の中でも一定の経済成長を遂げた国を指し、次なる先進国候補として注目されています。
2030年、世界経済ランキングの予測
IMFの予測によれば、2030年には以下のようなGDP上位国が想定されています。
- アメリカ:37兆ドル超
- 中国:25兆ドル超
- インド:6.7兆ドル
- ドイツ:5.5兆ドル
- 日本:5兆ドル弱
特に注目すべきはインドの急成長です。2024年時点でGDPが約3.7兆ドルだったインドが、わずか6年で6.7兆ドルに到達する見通しは驚異的です。
一人当たりGDPから見る「中進国」化の進展
一人当たりGDPは、その国の生活水準を測る指標として重要です。以下は2030年の予測値の一部です。
- 韓国:41,892ドル
- 中国:18,617ドル
- マレーシア:16,817ドル
- タイ:9,098ドル
- ベトナム:6,290ドル
- インド:4,469ドル
この数値から見ても、中国・マレーシア・タイは「中進国」としての地位を確立しつつあります。中でも中国は広東省や江蘇省など、一部地域がすでに高所得国水準に近づいており、国内格差を除けば中進国の中でも上位に位置しています。
先進国と中進国の境目はどこにあるのか?
世界銀行は「一人当たりGNI」が13,845ドル以上を高所得国(先進国)と定義しています(2023年基準)。これに照らすと、中国は全国平均ではまだ届かないものの、北京市や上海市などはすでにこの水準を超えています。
同様に、タイやベトナムも都市部を中心に所得が急増しており、2030年代には「先進国入り」が現実味を帯びてくる可能性があります。
発展途上国の「卒業」は何を意味するか
「発展途上国」を卒業するとは、単に経済数値が上がるだけでなく、以下のような変化が伴います。
- 教育・医療制度の整備
- インフラ(道路・電力・通信)の改善
- 政治的安定と法制度の強化
- 市民の生活満足度や社会的包摂の向上
これにより、国家としての競争力や国際的な信頼性が高まり、外資誘致や貿易拡大にもつながっていきます。
2030年以降の国際関係にも影響
発展途上国の数が減少し、中進国・先進国が増えるという構造は、国際関係にも大きな影響を与えます。たとえば。
- 新たなG20メンバー候補の浮上
- ODA(政府開発援助)の受け手から提供者への転換
- 国際会議での発言力・投票権の強化
すでにインドやインドネシア、ブラジルなどは「新興大国」として多国間枠組みの中で中心的な役割を担いつつあります。
まとめ:2030年は「中進国の時代」の始まり
2030年を迎える頃には、これまで発展途上国とされていた多くの国々が「中進国」あるいは「準先進国」へと昇格し、世界経済の新たな担い手となるでしょう。経済成長だけでなく、社会制度や生活環境の整備が並行して進むことで、より多極的でバランスの取れた国際社会が形成される未来が期待されます。
今後の国際関係やビジネス展開を見据えるうえでも、これらの変化を正しく読み取ることが重要です。


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