ホテルビュッフェでのカニ食べ放題マナー｜常識と節度のバランスを考える

ホテルビュッフェで提供されるカニの食べ放題は、多くの人にとって楽しみの一つです。しかしその一方で、一部の利用者が限度を超えた取り方をすることで、他の宿泊客の満足度を損なうこともあります。本記事では、カニを大量に食べる行為がマナー的にどうなのか、そしてホテルや他の利用者の視点も踏まえて考察します。

カニは“高級食材”であるという前提

タラバガニやズワイガニは、市場価格が高く仕入れコストも大きい食材です。特に北海道のように地元産が提供されるビュッフェでは、原価の割に提供数を調整している場合も少なくありません。

カニの食べ放題が含まれていても「無制限」という意味ではなく、「全体のバランスを見ながら楽しんでほしい」というホテルの意図が込められている場合もあります。

ビュッフェは“好きなだけ食べられる”という点が魅力ですが、他の宿泊客への配慮も欠かせません。一人でタラバを30本、家族4人で100本超という例では、補充が追いつかず他の人が食べられない時間が発生するリスクもあります。

例：19時過ぎにビュッフェに来たカップルが「カニがない」「10分以上補充がこない」と不満を漏らすケースもあります。

北海道では比較的カニが手に入りやすく、地元民にとっては珍しいものではない一方で、関西や関東などの道外客にとっては“非日常”です。そのため、旅の目的の一つとして「北海道でカニを心ゆくまで味わいたい」という感情が強くなるのは自然とも言えます。

しかし、それでも「他人への思いやりを忘れないこと」は、観光地での共通マナーです。

補充の間隔を調整する、提供する量を少しずつにする、または“1人○本まで”の張り紙を設けるホテルもあります。こうした対策はホテル側が過去の経験から導き出したトラブル防止策です。

宿泊客が無制限に取り続けると、ビュッフェの雰囲気自体がギスギスしたものになってしまう可能性もあります。

食べ放題とはいえ“取りすぎて残す”“周囲の視線を無視して独占する”といった行動は、他の客の体験を損なうだけでなく、自分たちの旅行の印象も悪くなりかねません。

“旅の思い出は食事だけではない”という意識も持ち、家族やパートナーと楽しい時間を過ごすことが本来の目的です。

ホテルのビュッフェでカニをたくさん食べる行為自体がNGとは言えませんが、「他人への配慮」「ホテルの意図への理解」「節度ある行動」が求められます。北海道旅行の思い出がより良いものとなるよう、カニに限らずビュッフェ全体を楽しむ心の余裕を持って過ごすことが大切です。