路線バスの後部座席にある謎の突起物の正体とは?その目的と設計理由を徹底解説

バス、タクシー

路線バスに乗って後ろの席に座ったとき、足元にある四角や半円型の出っ張りに「これ、なんであるの?」と疑問に思ったことはありませんか?多くの人が不便に感じているこの突起物ですが、実はバスの構造上必要な意味があるパーツです。この記事では、その正体と理由について詳しく解説します。

足元の出っ張りは「ホイールハウス」

バス後方座席の足元にある突起物の正体は、多くの場合「ホイールハウス(Wheel House)」と呼ばれる部分です。これは車体のタイヤを覆うための構造で、車内に突出してしまうのは車両設計上避けられないものです。

特にリアエンジン・リアドライブ方式の大型路線バスでは、後輪が車体の中ほどに位置することが多いため、後部座席の足元付近にホイールハウスが張り出してくるのです。

なぜバスの床は平らにできないの?

多くの人は「車内はフラットな床にできないの?」と思うかもしれませんが、大型バスではエンジンやタイヤなどの構造物が床面よりも上にくるため、どうしても出っ張りが生じます。特に低床バスは乗降しやすくするために車体を下げており、その分タイヤやサスペンション部分が座席スペースに干渉しやすくなります。

この構造は、歩道との段差を減らすことで高齢者や車椅子の方の乗降を助けるためのもので、利便性と構造的制約のバランスが求められているのです。

形が四角や半円形の理由

突起物の形状が四角だったり半円だったりするのは、車体や車輪の形状、設計方針による違いです。四角いものは補強部材を収めるスペースを確保していたり、部品の整備性を考慮していたりするケースが多く、半円形のものはタイヤの形状に沿って必要最小限の空間を確保している形です。

また、車内の清掃やメンテナンスの観点から、掃除がしやすいように平らなカバーや滑らかなラインに仕上げられている場合もあります。

「邪魔」なのに残される理由

たしかに座っていて足が置きにくいなどのデメリットはありますが、構造上取り除くことは難しく、コストを考えるとあえてフラットにしないという選択がされています。特に路線バスはコストパフォーマンスと整備性を重視するため、構造的な単純さが優先されがちです。

一部の観光バスや新型の高級路線バスでは、こうした突起が目立たないように座席の高さを調整したり、フットレストに見立てて快適性を演出したりする工夫も見られます。

他にも見かける「見慣れない突起物」の正体

ホイールハウス以外にも、バス車内には次のような「正体不明の突起」が見られることがあります。

  • 車椅子スペース用の固定金具:床面にある四角い凹凸は、車椅子を安全に固定するためのアンカーです。
  • エンジン点検ハッチ:後部座席下部にある蓋状の出っ張りは、エンジンや燃料タンクへのアクセス用の点検口であることが多いです。
  • ヒーターカバー:冬季に足元を温めるためのヒーター装置が収まっており、そのカバーが突起になっていることがあります。

まとめ:見慣れない突起にも意味がある

バスの後部座席にある突起物は、決して無意味な「邪魔なだけのもの」ではなく、安全性や構造上必要な理由に基づいて設置されています。ホイールハウスや点検口、ヒーターなど、バスという大型機械の設計上欠かせないパーツなのです。

少し見方を変えて「これはなぜこうなっているのか?」と考えてみると、日常の乗り物にも設計者の工夫と制約が垣間見えてくるかもしれません。

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