オーストラリアのワーキングホリデービザ(サブクラス417)では、原則として「同一雇用主のもとで6か月を超えて働くことはできない」というルールがあります。しかし、この“同一雇用主”という定義には例外や柔軟な解釈があり、特にABN(Australian Business Number)や勤務地が関わるケースでは混乱が生じやすいポイントです。この記事では、公式ガイドラインをもとに、複数拠点や子会社での勤務がどこまで認められるのかを詳しく解説します。
「同一雇用主」ルールの基本と6か月制限の趣旨
この制限は、本来ワーホリビザの趣旨である「休暇と文化交流」を守るために設けられています。特定企業での長期雇用を目的とした滞在を防ぐ意図があるため、1つの企業に長く勤めることを制限しているのです。
しかし、業務上どうしても6か月以上の継続勤務が必要なケースや、同じグループ企業で異なる拠点へ移動する場合もあり、柔軟な運用が認められることもあります。
公式が認める「例外」パターンとは
オーストラリア移民局の公式サイトでは、以下のような場合には「同一雇用主」に該当しないため、6か月以上の勤務が可能と明記されています。
- 同じホテルチェーンの異なる支店(two hotels in the same chain at different premises)
- 独立経営のフランチャイズ店(independently-owned franchises in different workplaces)
- 異なる州立の学校や医療施設(State and Territory schools and health care facilities at different addresses)
- 同一企業だが異なる果樹園での勤務(same ABN at two different orchards)
- 親会社が同じでもABNが異なる子会社(subsidiary company with different ABN)
- 異なるABNを持つ別法人だが雇用主が共通(separate legal entities with different ABNs owned by the same employer)
つまり、ABNが異なる場合は「別の雇用主」と見なされることがあり、その結果6か月の制限を回避できます。逆に、同一ABNでも勤務地が明確に異なればOKとされる例も存在します。
ABNとは?雇用主の識別キーになる番号
ABN(Australian Business Number)は、オーストラリアの事業者に割り当てられる一意の識別番号で、税務・商取引上の事業主体を区別するためのものです。
雇用契約書や給与明細(Payslip)に記載されているABNを確認することで、自分がどの事業体に雇われているかがわかります。勤務地が異なってもABNが同じであれば、基本的には「同じ雇用主」の扱いとなりますが、上記の例外に当てはまるかどうかの検討が必要です。
実際のケース:2拠点で各6か月勤務する場合
たとえば、A社が運営する支店Xと支店Yの2か所にそれぞれ6か月間働く予定があるとします。
・もしX支店とY支店が同一ABNを持ち、業態が同一である場合、原則6か月を超えては働けません(例外要件に合致しない限り)。
・一方、X支店とY支店が別ABNであれば、「異なる雇用主」として扱われ、合計12か月間の勤務が可能になる可能性が高いです。
また、業種が農業や医療、教育などであれば、一部地域においてはビザ条件の特例がある場合もあります。
ビザ条件の確認と移民局への問い合わせ
もし不明確な場合やリスクを避けたい場合は、オーストラリア移民局の下記フォームから確認・申請することが可能です。
英語でのやりとりにはなりますが、企業名・ABN・勤務地住所・期間などを伝えることで、6か月制限が適用されるかどうかを事前に確認できます。
まとめ:ABNと勤務地の関係を理解して、安心のワーホリ就労を
オーストラリアのワーキングホリデービザでは、6か月制限の原則がある一方で、勤務先のABNや勤務地によっては例外的に長期就労が認められる場合があります。ポイントは「ABNが異なるか」「勤務地が明確に分かれているか」です。
自分の勤務予定先がこの要件に当てはまるかを冷静に整理し、不安があれば移民局に相談して明確な回答を得ることをおすすめします。


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