「ビザ(VISA)」という言葉には、クレジットカードのブランド名と、国際的な入国許可証という2つの意味があります。まったく別のものなのに名前が同じため、混乱することも少なくありません。本記事では、それぞれが誰によって運営・管理されているのかをわかりやすく解説します。
クレジットカードの「VISA」はどこが運営している?
クレジットカードでよく見かける「VISA」は、アメリカ・カリフォルニア州に本社を置く「Visa Inc.(ビザ・インク)」という企業によって運営されています。ニューヨーク証券取引所に上場しており、誰か個人ではなく多数の株主が保有する法人です。
VISAは銀行やカード発行会社に技術とブランドを提供する「決済ネットワーク運営会社」で、自らクレジットカードを発行することはありません。たとえば、三井住友カードや楽天カードなどがVISAのブランドを利用して発行しているという仕組みです。
クレカVISAの具体的な業務とは?
VISAは全世界で秒間6万件以上の取引処理を行っているとされ、「安心・迅速・国際標準の支払いインフラ」として機能しています。お店とカード会社の間をつなぐ決済ゲートウェイのような存在です。
「ビザ様」が支配しているわけではなく、金融テクノロジー企業の一つであり、実体のあるグローバル企業です。
入国許可証の「ビザ(Visa)」はどこが出す?
海外渡航の際に必要となる「ビザ(査証)」は、渡航先の各国政府が発行しています。たとえば日本人がアメリカへ行く場合、米国大使館・領事館から発行される「入国の許可証」になります。
つまりこの「ビザ」はクレジットカードのVISAとは一切関係がありません。まったくの別物で、運営主体は国家機関です。
同じ「VISA」なのになぜ混同される?
英単語の「visa」には「査証・許可証」という意味があるため、偶然にも企業名とビザの役割が重なっています。クレジットカードのVISAは、国境を越えた支払いの「通行証」のような意味合いでこの名前が選ばれたとされています。
しかし、クレカの「VISA」と国の「査証ビザ」は組織も意味も別物です。ワンピースの「イム様」のような裏支配者的存在ではありません。
実際の誤解例と注意点
・「VISAが入国に必要」と聞いて「クレカが必要なのか?」と混乱したケース
・「ビザがあると入国できる」と誤解して、観光目的なのに就労ビザを取ってしまった例もあります。
旅行や留学、出張の際には正確に「どちらのVISA」なのかを把握することが大切です。
まとめ:ビザの「正体」は?
・クレジットカードのVISAはVisa Inc.というアメリカの企業が運営
・入国ビザは各国の政府が発行する渡航許可証
・どちらも「ビザ様」なる支配者はおらず、それぞれの仕組みや組織で運用されています
言葉は同じでも中身はまったく異なる「2つのVISA」。目的に応じて正確に使い分けることで、旅行も支払いもスムーズになります。


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