なぜ東京で万博が開催されないのか?その理由と背景を詳しく解説

博覧会

2025年の大阪・関西万博をはじめ、日本では地域ごとに国際博覧会(万博)が開催されてきました。しかし、近年では東京での万博開催は見られず、1985年のつくば万博が関東圏での最後の開催となっています。では、なぜ東京では万博が開かれないのでしょうか?その理由を歴史的背景や都市構造、経済的観点から掘り下げていきます。

そもそも万博とは?

万博(万国博覧会)は、各国の文化や技術を展示する国際的なイベントで、BIE(博覧会国際事務局)によって認定されます。近代以降、開催都市は経済・都市インフラの象徴ともされ、開催には広大な敷地や交通網、国際的な集客が求められます。

東京で万博が開催されない主な理由

最大の理由は「適切な敷地の不足」です。東京はすでに都市開発が進み過ぎており、万博に必要な広大な敷地(数十~数百ヘクタール)が確保しづらいという問題があります。

加えて、交通インフラは充実していますが、人口集中による混雑リスクやセキュリティ対策への懸念も無視できません。大規模国際イベントにおいては、動線管理や非常時対応が重要であり、これも東京では課題となります。

過去の関東開催:つくば万博の背景

1985年に開催された「科学万博つくば’85」は、首都圏でありながらも開発余地の大きかった茨城県つくば市で行われました。当時のつくばは研究学園都市として発展が始まったばかりで、広大な土地とアクセス改善の余地があったため、誘致が成功しました。

このように、東京以外の首都圏近郊の“開発余地がある地域”が開催地に選ばれる傾向があります。

大阪・関西万博が選ばれた理由

2025年の万博が大阪に決定した理由には、夢洲という再開発可能な人工島が存在し、交通インフラ(鉄道・空港・道路)が整備しやすいという点が挙げられます。

また、大阪府・関西経済界の強力な誘致活動と、「ポスト2025」の都市再生を見据えた国家戦略的な意図も含まれています。

東京で万博が実現する可能性

現時点では東京での万博誘致の具体的な動きは確認されていません。仮に将来、再開発を伴う大規模プロジェクト(例:東京湾岸部の再整備など)が進めば、その際に「万博」構想が浮上する可能性はあるものの、現実性は高くありません。

一方、東京では国際会議や五輪など大規模イベントが頻繁に開催されるため、都市機能としては十分な経験と設備がありますが、万博に求められる「空間と長期間の専用運用」は難しいという課題があります。

まとめ

東京で万博が開催されない理由は主に「広大な用地の確保が難しい」「都市混雑や安全管理面での課題が大きい」といった都市構造上の制約によるものです。代わりに、つくばや大阪のような“拡張余地”のあるエリアが選ばれる傾向にあります。今後の都市開発次第では、再び関東での万博が実現する可能性もゼロではありませんが、現状では大阪・関西の開催が最適とされたのは妥当な判断といえるでしょう。

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