北九州市を本拠地とするプロ野球独立リーグ球団「北九州フェニックス」は、ホリエモンこと堀江貴文氏がオーナーを務めることでも話題を集めました。しかし、その注目度とは裏腹に、地元での盛り上がりが今ひとつという声も少なくありません。
話題性と地域の温度差
堀江氏という全国的な知名度を持つ人物が関与しているにもかかわらず、地域の盛り上がりが限定的なのはなぜなのでしょうか。一つの要因は「全国ニュースで話題になっても、地域住民との接点が少ない」という現実です。
例えば、SNSやネットニュースで見かけた人はいても、実際に球場へ足を運んだ人は少数というケースが見られます。地元住民の多くが「フェニックスって何?」「試合どこでやってるの?」という状態では、盛り上がるにも土台が足りません。
スタジアムの場所とアクセスの課題
北九州フェニックスのホームスタジアムである「北九州市民球場」は、小倉駅からアクセス可能な立地とはいえ、週末開催や夕方の時間帯など一部のスケジュールで集客に苦戦しています。
また、ナイター設備や駐車場の制限など、観戦環境そのものが地域住民にとって快適とは言い難いという声も。特にファミリー層にとって「試合観戦のハードルが高い」と感じさせる要因になっています。
地元メディアとの連携不足
地元メディア(テレビ、新聞、ラジオ)との連携がまだ弱いことも、情報が届きにくい理由の一つです。Jリーグのクラブチームなどは地域FMや情報番組での露出が多く、「名前を聞く機会が自然と増える」ことでファンを育てています。
それに対し、北九州フェニックスはSNSに重きを置く一方、地元住民の高齢化などメディア消費の実態にマッチしていない部分が見受けられます。
球団としてのストーリー構築の弱さ
球団創設からまだ日が浅いとはいえ、「どんな選手がいて、どう成長しているか」といったストーリーが地域に浸透していない点も要因の一つです。
地元出身選手の起用や学校・自治体との連携、地域イベント参加など、「地域の物語としてのフェニックス」が構築されていけば、地元愛や誇りが自然と芽生える可能性は高まります。
今後の盛り上がりに向けた展望
北九州フェニックスが地域密着を強化し、街の象徴として愛されるには、以下のような取り組みが鍵となるでしょう。
- 学校訪問や地域清掃など、選手による地域活動
- ローカルメディアとの積極的なタイアップ
- 地元企業とのコラボイベント開催
- 観戦のしやすさ(交通・チケット・飲食)の改善
また、ファンとの距離を縮める「推し選手づくり」や、こども向けのグッズ・体験企画も、将来的なリピーター獲得に効果的です。
まとめ:注目はされている、でも“愛されて”はいない
北九州フェニックスは話題性には恵まれているものの、地域に「根付いている」と言えるにはまだ距離があります。地元にとっての“身近な球団”になるためには、ただのエンタメではなく、地域社会との継続的な関係構築が不可欠です。
今後の進化に期待しつつ、地元が一体となって盛り上げていくことが鍵となるでしょう。

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