2023年8月15日、大阪府を台風が直撃していた中で、JAL(日本航空)が羽田〜伊丹間の臨時便を運航したことが話題になりました。一見危険に見えるこの決断、実は緻密な気象判断と高度な運航技術が背景にあります。この記事では、台風接近時に飛行機が飛ぶ仕組みと、安全を守るための対策について解説します。
そもそも台風でも飛行機は飛べるの?
台風接近中でも、空港周辺の風速や視界が基準値内であれば運航可能です。
例えば、伊丹空港では滑走路横風の最大許容値が約15〜20ノット程度とされており、それを超えない限り運航判断が下されるケースがあります。
航空会社は常に最新の気象レーダーやリアルタイムデータを元に、安全性と実行可能性を判断しています。
JALが臨時便を飛ばした背景
2023年8月15日は、鉄道各社が運休や間引き運転を行っていたため、空路が一部利用者の移動手段として機能する必要がありました。
JALはその需要に応える形で、限定的に運航が可能なタイミングと空域を選び、臨時便を設定しました。
フライトは地上勤務者・パイロット・管制官の連携のもとで決行され、すべての判断は「安全最優先」で行われています。
パイロットの高度な気象判断力
JALを含む航空会社のパイロットは、気象資格に加えて専門の訓練を受けており、積乱雲の回避経路や風の読み方にも長けています。
たとえば、伊丹空港に着陸する際には、常に複数の進入パターンを想定し、滑走路の風速や乱気流、雨量などを細かくチェックして操縦します。
特に台風周辺では「マイクロバースト」や「風切り(ウィンドシア)」と呼ばれる現象が起こりやすいため、航空機はそれらを回避するルートを取って飛行します。
航空会社の運航判断フロー
- STEP1:数日前から台風の進路・風速をチェック
- STEP2:出発直前のMETAR(航空気象情報)やTAF(予報)を確認
- STEP3:滑走路の横風・視界・降雨などを総合的に評価
- STEP4:航空管制や気象担当と連携し出発判断
また、着陸が危険と判断された場合は、羽田に引き返す「リターン・トゥ・ベース」も視野に入れて運航されます。
実際のフライト映像とその解説
このフライトの様子はこちらのYouTube動画でも確認できます。
機体が大きく揺れていたことから、視聴者の中には「本当に安全だったのか?」と疑問を持つ人もいましたが、航空業界では「許容範囲の揺れ」は想定のうちであり、客室乗務員も安全を確保しつつサービス対応しています。
まとめ
台風の日に飛行機が飛ぶのは、一見非常識に思えるかもしれませんが、実際は専門家による綿密な判断と、安全を守るための体制が整った上で行われています。
JALが2023年8月15日に飛ばした羽田〜伊丹間の臨時便も、運航基準と乗客の安全を確保した上で実施されました。天候が悪いからといって一律に飛ばないわけではなく、「飛べるタイミングを見極めて安全に飛ばす」ことが、現代の航空業界の高度な運用技術なのです。


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