日本の一部のバス事業者では、観光需要や話題性を狙って2階建てバスを導入する動きがあります。しかし、すべてのバス会社が採用しているわけではありません。特に国際興業バスや京急バスのような大手事業者があえて2階建てバスを導入しない理由には、経済的・地理的・運行上の事情が複雑に絡んでいます。
2階建てバス導入の背景と導入事例
2階建てバスは観光輸送や都市間輸送、観光地周遊などに適しており、インバウンド対応や話題性アップの狙いから、両備バスや広島電鉄などが導入しています。
例えば、両備バスは「メガライナー」やロンドンバスを活用したイベントバスを展開し、話題づくりや観光資源として活用しています。また、広島電鉄は市内観光向けの2階建てバス「めいぷるスカイ」を運行しており、観光客に人気です。
国際興業バスや京急バスが2階建て車両を導入しない理由
一方で、国際興業バスや京急バスなどの大手バス会社が2階建てバスを導入しないのには明確な理由があります。
- 路線バス運用に不向き:これらの事業者は日常の通勤・通学・地域輸送を担う路線バス主体で、停留所間の距離が短く、2階建てバスの乗降に不向きです。
- 道路インフラの制限:都市部では高架下や架線、トンネル、立体交差などの高さ制限が多く、2階建てバスの走行に適さない区間が多く存在します。
- 車両コスト・整備性:2階建て車両は車両価格が高く、整備にも特別な設備や訓練が必要で、コストに対するリターンが得にくいと判断されています。
導入するかどうかは「収益構造と運行目的」で決まる
観光を主軸に据えるバス会社にとって、2階建てバスは強力な訴求力があります。しかし、都市部の交通網を支える国際興業や京急などは、高頻度・大量輸送の効率性を重視するため、特殊な車両導入はリスクになります。
また、行政との連携や補助金が得られない限り、採算面からも導入しにくいという現実があります。
2階建てバスは今後増えるのか?
将来的に観光需要やイベント輸送などのニーズが高まれば、期間限定や特別便として2階建てバスを導入する動きが広がる可能性もあります。
ただし、運行には特別な許可や訓練が必要となるため、標準化されるには時間がかかるでしょう。特に一般路線バスとしての普及は、現状では難しいと言えます。
まとめ:用途とコストを考慮した結果の選択
2階建てバスは確かに魅力的な存在ですが、導入には運行地域・目的・コスト・インフラ環境など多くの要素が影響します。国際興業バスや京急バスが導入していないのは、単なる選択ではなく「合理的な経営判断」に基づいた結果といえるでしょう。
バス車両の選定は利用者には見えにくい部分ですが、地域のニーズに合わせた最適な輸送手段を模索し続ける事業者の姿勢がそこにあります。


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