街中や観光地の駐車場などで、大型バスがバックする際に必ずといっていいほど誘導者が立っている光景を見かけます。一方で、同じようなサイズの大型トラックやトレーラーでは、誘導者がいないことも珍しくありません。なぜこの違いが生まれるのでしょうか?この記事ではその理由と背景を詳しく解説します。
大型バスにバック誘導者がつく主な理由
大型バスにおいてバック誘導者が配置される最大の理由は「乗客の安全確保」です。バスは多くの人命を乗せて運行するため、万が一の事故を防ぐためにあらゆるリスク回避措置が取られています。
たとえば観光地や施設前での乗降時、駐車場での切り返しなど、歩行者や他車両との接触リスクが高まるため、視認できない死角をカバーする補助者が必要となるのです。
トラックとの違い:荷と人命の価値の違い
一方で、トラックやトレーラーの多くは「貨物」を積んでいます。もちろん貨物にも価値はありますが、「人命」を乗せていないことから、安全基準が若干異なるのが現実です。
また、ドライバー自身も長距離輸送に慣れているため、バックカメラやセンサー、複数のミラーを活用して単独でのバック操作を日常的に行っています。
法律上の義務はあるのか?
道路交通法には「バック誘導者を必ずつけなければならない」という明文化された義務はありません。しかし、「安全運行義務」が課せられており、その一環として事業者や運転手が自主的に誘導者を配置しています。
特にバス業界では、各運行会社が独自の安全マニュアルを設けており、乗客を乗せた状態でのバック時には原則誘導者が必要とされているケースが多いです。
実例:観光バスと高速バスの違い
観光バスでは、不慣れな場所での切り返しが多く発生するため、乗務員の他に現地ガイドや係員がバック誘導を行うことが一般的です。
一方、高速バスのように決まったバスターミナルのみを発着する場合は、車両誘導の体制が整っているため、バス会社によっては乗務員一人で操作することもあります。
事故の未然防止と企業の信頼確保
近年では、少しの接触事故でも企業の信頼が大きく揺らぐ時代です。特に交通事故に敏感な観光業界では、安全配慮の見える化が重要視されており、その象徴的な行動がバック時の誘導なのです。
万が一事故が起きた場合、「なぜ誘導者をつけなかったのか?」という企業責任が問われることもあり、防止策としての意味も大きいです。
まとめ
大型バスがバック時に誘導者をつけるのは、単なる慣例ではなく、「乗客の安全確保」「企業の信頼維持」「法的リスクの回避」など複数の理由が絡み合った安全対策です。一方、トラックでは運転者の習熟度や荷物の性質の違いから、誘導者の必要性は相対的に低くなる傾向があります。安全を最優先するバス業界の姿勢を知ることで、日常の風景がより意味深く見えてくるかもしれません。


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