打ち上げ花火は夜空を彩る夏の風物詩として多くの人々に親しまれています。しかし、「日本の日本海側、たとえば北陸地方で行われる花火大会の花火は、対岸の韓国や北朝鮮から見えるのか?」という素朴な疑問について、科学的・地理的な観点から検証してみましょう。
打ち上げ花火の高さと視認可能距離の関係
まず、花火がどれほど遠くまで見えるのかを知るために、打ち上げ高度を押さえておきましょう。
- 5号玉(直径約15cm)…打ち上げ高度約150m
- 10号玉(尺玉、直径約30cm)…約300m
- 最大級の4尺玉…約800~900m
地球の曲率(地平線)を考慮すると、仮に900mの高さで花火が開いても、水平距離で約100km程度が理論的な見える限界です。それ以上離れると、地球が丸いため花火の光は視界に届かなくなります。
日本海を隔てた距離と見える可能性
たとえば、石川県の能登半島から韓国・釜山までは直線で約800〜900km、北朝鮮の東海岸までは約700〜800kmです。これは視認可能距離(100km程度)の7〜8倍に相当します。
つまり、現実的に韓国や北朝鮮から日本の花火が肉眼で見える可能性はゼロに近いと考えられます。
高高度爆発やレーザーなどは例外?
一部の航空ショーや演出で用いられる「高高度爆発型の花火」や「サーチライト」「レーザー光線」などは、視認距離が長いこともあります。しかし、これらもあくまで数十km〜せいぜい100km程度での話であり、日本海を横断するほどの明るさや高度はありません。
また、音についても約340m/sの速度で伝わりますが、距離が離れすぎると聞こえるはずもなく、映像・音声いずれの観点でも視認は不可能です。
実際に見える可能性があるのは「衛星画像」や「映像配信」
唯一、物理的に見えると言えるのは、人工衛星などから撮影された高感度画像や、防災観測衛星による光源の検出といったケースです。
また、SNSやライブ配信、ドローン映像などで日本国内の花火大会の様子が韓国や北朝鮮など海外でも「見られる」ことはありますが、それはあくまでメディア経由の視覚情報です。
画像が見たい方へ:視認性に関する参考リンク
下記は、過去に衛星や上空から撮影された夜間の地上光源(例:花火)について紹介している専門サイトです。
とはいえ、こうした画像も「地上から肉眼で見えるか」という質問には該当せず、衛星や高性能機材による特殊な可視化結果にすぎません。
まとめ:日本の花火は対岸からは見えないのが現実
日本の北陸地方や日本海側で行われる打ち上げ花火が、韓国や北朝鮮といった海外から「肉眼で見える」ことはありません。地球の曲率や距離、打ち上げ高さの限界を踏まえると、視認できるのは精々100km圏内に限られます。
対岸から見るのは不可能ですが、世界中どこからでもインターネット配信やSNSを通じて花火の美しさを楽しむことは可能です。現地に行けない人も、デジタルの力で夏の夜を感じてみてはいかがでしょうか。

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