高速道路での合流ポイントや追い越し時に、車両同士の接近や意図しないトラブルが発生することは珍しくありません。しかし、万が一相手に通報された場合、法的な責任はどうなるのでしょうか?今回は実際の事例を交えつつ、危険運転や通報のリスクについて詳しく解説します。
スピード違反と車線変更の違反行為の範囲
まず、高速道路でのスピード違反は道路交通法第22条違反に該当します。たとえば法定速度70km/hの区間で90km/hを出していた場合、軽度な違反とはいえ反則金や点数加算の対象になる可能性があります。
また、車線変更に関しては「合図不履行」や「進路変更方法違反」として、ウィンカーの不十分な点灯(たとえば1秒程度)も違反に該当します。とくに合流部や追い越し時の急な進路変更は、相手に威圧感や危険を与えると判断されることがあります。
通報された場合、どのような流れになるのか
ドライブレコーダーなどの映像証拠がある場合、警察は通報内容をもとに調査を行います。ただし、ドラレコがなかったり、相手がナンバーを記録していない場合、警察の判断は曖昧になります。
一般的には通報されたからといって即逮捕ということはなく、任意での事情聴取がある程度です。しかし、証拠映像で危険運転が明確な場合、「危険運転致傷罪」や「妨害運転罪(あおり運転)」に発展する可能性もあります。
どのような運転が「妨害運転(あおり運転)」にあたるか
令和2年6月施行の改正道路交通法では、「妨害目的での急ブレーキ」や「車間距離を詰めての威圧運転」が禁止されています。相手から煽られた場合でも、こちらに挑発行為があったと判断されれば、過失割合が問われることも。
例えば「追い越し直後に急に車線を塞いだ」「クラクションを長く鳴らした」などがあった場合、相手が先に危険運転したとしても、自身の違反が無視されるとは限りません。
ドラレコなしのリスクと今後の対策
ドライブレコーダーが未装備の場合、主張に信憑性が欠けるため、自分の正当性を証明しにくくなります。こうしたトラブル防止のためにも、ドラレコの設置は必須と言えるでしょう。
仮に相手が警察に通報していたとしても、証拠が無い限りは書面通知や軽微な注意にとどまるケースが多いです。ただし、過去に違反歴がある場合や同様の通報が複数ある場合は対応が厳しくなる傾向もあります。
トラブルに巻き込まれないためにすべき運転マナー
- ウィンカーは進路変更の3秒前から点灯し、周囲に意図を明確に伝える
- 急加速・急減速を避けることで相手を刺激しない
- 2車線→1車線の合流地点では無理な追い越しを避け、譲り合いの意識を
- 追い越したあとも速度を保ち、急に前に割り込むような形にならないよう注意
まとめ:通報されても焦らず、再発防止を心がける
今回のようなケースでは、違反の程度や証拠の有無により警察の対応が変わります。通報された=逮捕というわけではなく、今後の運転を改めることで問題が大きくなることを防げます。
特にドラレコ未装備の場合、自身の身を守る術が減るため、今後のトラブル防止と安全運転のためにも導入を強く推奨します。

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