都議会選挙区の定数はどう決まる?千代田区1人区の現状と“一票の格差”問題を整理

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東京都議会の選挙区は、原則として各市区町村を基本に定数が割り振られていますが、千代田区や中央区など人口の少ない都心部は“1人区”となっており、一票の格差が顕著です。本記事では、選挙区の決め方や格差問題、千代田区の扱い、今後の改善案をわかりやすく解説します。

選挙区と定数の基本ルール

東京都議会は127議席を、条例に基づき42選挙区(23特別区+18市町村ブロック+離島)に配分。中選挙区制(1〜8人区)を採用しています[参照]

人口比に応じた配分が理想ですが、実際には地域の特性や議会判断が加味されており、人口比とはずれが生じやすい構造です。

千代田区・中央区はなぜ1人区?その背景と問題点

千代田区は人口7万人程度ですが、条例で“特例選挙区”に指定され、配分基準0.5以上の要件を満たしていなくても定数1が割り当てられています[参照]

その結果、千代田区の“1票あたりの代表価値”は、人口比に基づいた地域より最大3.2倍高くなるという裁判での指摘もありましたが、高裁は合憲と判断しています[参照]

一票の格差をめぐる裁判・国の判断

元最高裁判事による訴訟では、「千代田区1人区は違憲」との訴えがありましたが、東京高裁は合理的裁量の範囲内として請求を棄却しました[参照]

一方、各政党による「1増1減」や「4増4減」「合区案」などの定数見直し案が議論されており、議会での是正動きが一定程度進んでいます[参照]

格差縮小のための改正案と今後の展望

2020年の議会では、練馬区+1、大田区−1の「1増1減」条例改正が可決されましたが、千代田区・中央区の合区案は否決にとどまりました[参照]

共産党などが提案していた「千代田・中央を合区し2人区に変更」や、江東・江戸川・港区など人口増地域の定数増も議論されていますが、現段階では具体的な一律の見直しは進んでいません[参照]

実例:選挙区ごとの票価値格差一覧

選挙区 定数 推定票価値比
千代田区 1人 標準比約3.2倍
中央区 1人 千代田区に準ずる
世田谷区 8人 格差小
江戸川区 5人 中程度

まとめ:制度理解と今後の注目点

東京都議会の選挙区は人口に比例する仕組みが基本ですが、特例や地域調整によって格差が生じています。千代田区・中央区は“1人区”として一票の価値が高く、改善の余地も多く残されています。

今後は合区や定数見直しの議論、最高裁判断への影響を注視しながら、投票時に制度への理解を深めることが重要です。

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