2025年7月、ポルトガル政府はTAPポルトガル航空の約45%を売却する民営化法案を承認しました。これにより同社は国営時代より柔軟な路線戦略を取れるようになりますが、日本直行便の復活にはどのような現実的要因が関わっているのでしょうか?
民営化で進む「戦略パートナー選定」
政府はエアフランス・KLM、ルフトハンザ、IAGなど主要欧州航空との提携を模索中で、非EU系キャリアとの共同出資も念頭に置いています:contentReference[oaicite:0]{index=0}。
この戦略的パートナーの選定が、北米やアフリカ展開に重点を置く一方で、アジア路線(日本線含む)へのリニューアル視野にも影響を与える可能性があります。
日本路線復活のための3つの条件
- 市場規模と採算性
過去にも和歌山~リスボンなど直行便は無く、現在は欧州経由+コードシェアで日本へ就航中(ANAなど):contentReference[oaicite:1]{index=1}。直行便には相応の需要と利益の見込みが必要です。 - ハブ活用の柔軟性
民営化による航空連合(Star Alliance)や提携先のネットワーク活用が進めば、日本発リスボン乗継ルート整備が加速する可能性があります。 - 政府・規制環境
政府は株式売却後も「主要ルートを維持する」姿勢を明確にしています:contentReference[oaicite:2]{index=2}。これは日本路線復活にとってポジティブな兆しです。
他航空会社との連携がカギ
既にTAPはANAやルフトハンザ、ユナイテッドなどとコードシェア契約を結んでおり、当面は乗継便の拡充が実利的選択肢とされています:contentReference[oaicite:3]{index=3}。
また、北米経由の日本就航便(ロサンゼルス、ボストン等)を増便し、日本人利用者へアピールする戦略も想定されます。
実現までのロードマップ
- 2025~2026年:民営化完了し、新たな収益構造と経営戦略を確立
- 2026~2027年:パートナーとの交渉進展、ハブ経由ルートの検討・拡張
- 2028年以降:需要・採算調査に基づきコードシェア中心から直行便検討へシフト
まとめ
TAP民営化によって、路線戦略は国営時代より格段に柔軟性を増します。ただし日本直行便の復活には、採算性・パートナーシップ・政府支援など複数の条件が揃う必要があります。まずは乗継便の強化を通じた市場評価が先行する展開が現実的です。


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