街中でタクシーが乗客を乗せているにもかかわらず、「空車」表示のまま走っている光景を目にしたことはありませんか?一見不思議に感じるこの現象には、業界独自の事情や運用ルールが関係しています。本記事ではその理由をわかりやすく解説します。
空車表示とは?基本の仕組み
通常、タクシーは乗客を乗せると「空車」から「賃走」や「実車」表示に切り替わり、メーターが作動して料金が加算されます。「空車」はその名のとおり、乗車可能な状態を意味します。
この表示は社内のメーター装置と連動しており、自動または手動で切り替えることができます。
「空車」のまま乗客を乗せる主な理由
1. 会社契約・定額運行での乗車
企業契約や官公庁の送迎、冠婚葬祭などの業務利用では、事前に料金が決まっていることがあり、この場合はメーターを使わないため「空車」のまま走行することがあります。
2. 乗車地点や降車場所の制限
例えば、タクシー乗り場ではなく、道路脇やビルの駐車場などで乗客を乗せるとき、誤って「空車」のまま発車してしまうケースがあります。
メーター未操作による誤表示
乗客が乗ったにも関わらず、運転手がうっかりメーターを操作し忘れて「空車」のまま走行することもあります。これは意図的でない場合が多く、特に新人ドライバーや慌ただしい状況下で起こりやすいです。
この場合、降車時に料金を手計算で請求されることもありますが、基本的には運賃の正当性が問われるため、ドライバーにも注意が求められます。
違法ではないのか?
タクシーが「空車」のまま乗客を運んでいるからといって、必ずしも違法とは限りません。業務委託契約・定額送迎・貸切契約などでは、メーターを使わずに輸送することが認められています。
ただし、一般乗車を装ってメーターを不正に使わなかった場合や、不当な請求をする場合は、道路運送法に抵触するおそれがあります。
実例:こんなときに「空車」でも乗客が
・某企業の役員送迎で、出発から到着までの距離と時間が契約済のため「空車」
・冠婚葬祭での貸切利用。葬儀会場〜火葬場までの移動を1台のタクシーが請け負うため、空車表示のまま複数回移動
・イベント会場でのシャトルタクシー的な使われ方
いずれも料金体系や利用形態が一般利用とは異なり、表示とのギャップが生じることがあります。
まとめ
タクシーがお客さんを乗せているのに「空車」表示のまま走っている場合、定額契約・貸切運行・表示操作忘れといった背景があるケースがほとんどです。必ずしも不正行為ではありませんが、疑問を感じた場合は乗車時や降車時に確認するのが安心です。
表示だけでは判断しきれないタクシーの運用の実態を知ることで、より納得して利用できるようになります。

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