大阪名物として長年愛される「551蓬莱の豚まん」。ふっくらとした皮とジューシーな具の絶妙なバランスは、熟練の職人が手包みする工程に秘密があります。なかでも注目したいのが、あえて“くぼんだ面”ではなく、“裏側”から具を乗せて包むという製法。この記事では、その工程の理由やメリット、そして家庭でも参考になる包み方のコツをご紹介します。
なぜ「裏側」から具をのせる?
551蓬莱の豚まんでは、生地をお椀型に成形した後、くぼみ面(上側)ではなく、裏側(平らな底面)に具をのせるスタイルが一般的です。この方法にはいくつかの合理的な理由があります。
第一に、裏側は生地の厚みが均一で弾力があり、包みやすいため、具を乗せた際に破れにくく、成形が安定しやすくなります。また、具を包む際に底面から引き上げて包むことで、皮の伸びや均等な締まりが実現し、美しい仕上がりになります。
「くぼみ側」に包まない理由
一見すると具をくぼみに入れた方が自然に思えるかもしれませんが、くぼみ面は成形の都合上、生地の薄い箇所ができやすく、具を入れることでそこから破れるリスクが高くなります。
さらに、くぼみの中心部は生地が沈んでいるため、具を包む際に空気が入りやすく、成形後の発酵や蒸し工程で皮が割れるなどのトラブルに繋がることがあります。
プロの現場で支持される裏返し包み
551蓬莱に限らず、多くの点心職人が「裏返し包み」を採用しています。これは皮の特性を最大限に活かし、見た目・食感・密封性すべてを兼ね備えた方法であり、スピードと安定性が求められる現場において理にかなった手法です。
特に1日に数千個もの豚まんを手包みで製造する工場では、短時間で一定品質を保てるこの方法が重宝されています。
家庭でも活用できる包み方のコツ
ご家庭で豚まんや肉まんを手作りする際も、「裏返し包み」は応用可能です。生地を軽く丸めた後、上から手のひらで押して裏返し、平らな面を上にして具をのせてみましょう。
包むときは、外側から中心に向かってヒダを重ねていくように閉じていくと、見た目も美しく、蒸し上がりもふんわりとした豚まんに仕上がります。
職人の技が味に現れる
551蓬莱のような人気店では、1つ1つの豚まんに込められた技術と配慮が味に直結しています。皮の食感や具との一体感、噛んだときに広がるジューシーさは、熟練の技から生まれます。
その技術のひとつが、正しい包み方であり、見えない部分にこそプロのこだわりがあるのです。
まとめ
「くぼみではなく裏側から包む」という豚まん作りの工程は、見た目や効率だけでなく、美味しさの安定性を支える大切な理由がありました。もしご家庭で豚まんを手作りするなら、ぜひこの方法を取り入れて、プロのような仕上がりを目指してみてください。

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