「タトゥーがあると温泉や銭湯に入れない理由の一つに感染症の可能性がある」と聞いたことがあるかもしれません。では、B・C型肝炎ウイルスを持っている人は公共の銭湯に入れないのでしょうか。本記事では、実際の感染リスクや公衆浴場での取扱いについて整理します。
感染に関する基礎知識
B型肝炎(HBV)・C型肝炎(HCV)は主に血液を介して感染します。注射や針、刺青、ピアスなどの器具を介した感染が多い一方、湯船のお湯による感染は限りなくゼロに近いとされています[参照][参照]。
また、家庭内で同じ風呂やトイレを使う程度の日常生活では感染リスクは非常に低く、共有してもほとんど問題ありません[参照]。
公共銭湯・温泉の現実的な対応
公衆浴場では血液混入した湯水があっても、薄められることで感染成立のウイルス量にはならないとされています[参照]。
したがって、未治療のB・C型肝炎キャリアでも、法律上や公衆衛生上で公共の浴場の利用を禁止される根拠はありません。
なぜタトゥーで制限があるのか?
タトゥーが理由で入浴拒否されるケースは、過去の衛生環境が整っていなかった時代の名残である場合が多いです。
実際、タトゥーを入れる際の針使い回しが過去にHBVやHCV感染源になったエビデンスがあり、その懸念が「タトゥー=感染者かもしれない」という一種の先入観を生んでいます[参照][参照]。
実例:銭湯でのキャリア表示や制限は?
調査では、B型肝炎キャリアが湯船を共有しても感染報告はほとんどなく、実際に銭湯利用が禁止されたり、表示義務があるわけではありません[参照][参照]。
むしろ、接触で感染するのは極めて稀であり、血液が大量に混入しない限り利用制限の対象には通常ならないと言えるでしょう。
安心して銭湯を利用するためにできること
- 小さな傷や出血があるときは入浴前に消毒し、血が出たらタオルに包むなど配慮を。
- 他人との濃厚な体液接触(接触スポーツなど)に比べれば、浴場での感染リスクはずっと低いものです。
- もし気になるなら、銭湯や温泉スタッフに事情を説明し、対応を相談しても安心できるでしょう。
まとめ
公共の銭湯・温泉におけるB・C型肝炎キャリアへの利用制限は、法律的にも衛生上の根拠もほとんどなく、禁止されるケースは非常に稀です。
本記事要点。
- 湯船での感染リスクはほぼゼロ
- 日常的な入浴共有での感染報告は極めて少ない
- 表示義務や利用禁止はない
- 小さな出血や傷には配慮をすれば安心
タトゥーに関する誤解があるように、ウイルスキャリアへの偏見も少なくありません。必要に応じて、専門医や施設に相談し、正しい知識に基づいた安心を得てください。


コメント