かつて存在した「そん」を名乗る東日本の村名とその変遷

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現在の日本では、村の数が減少し「そん(村)」と読む自治体名も限られています。特に「そん」を名乗る自治体で東に位置するものは少なく、2025年現在の最東端は徳島県の佐那河内村(さなごうちそん)です。この記事では、過去に存在した「そん」と読まれる村名のうち、特に東日本を中心にした事例を取り上げ、その由来や変遷をたどります。

現在の「そん」自治体の東端:徳島県佐那河内村

徳島県名東郡佐那河内村は、四国唯一の「村」であり、読み方も「そん」。地元住民にも長らく親しまれており、現在でも合併せずに存続している数少ない村の一つです。

地理的には東日本とは言えないものの、2025年時点では最も東に位置する「そん」として注目されています。

東京都新島本村の歴史と現状

東京都の離島、新島には「新島本村(にいじまほんそん)」という名称が存在しました。これは旧来の行政名で、明治期以降しばらく使われていましたが、現在は「新島村(にいじまむら)」として表記・呼称されています。

当時の「そん」読みは、主に旧日本陸軍や行政記録で使われていた表現が多く、現在の音読みである「むら」とは並存していたケースもあります。

東日本に存在した「そん」読みの村名

1. 茨城県:藤代村(ふじしろそん)
1950年代に藤代町となり、現在は取手市の一部です。「そん」表記は戦前期まで用いられました。

2. 宮城県:飯野川村(いいのがわそん)
旧桃生郡にあった村で、現在は石巻市に編入。明治・大正期には「そん」の表記が公式でした。

3. 千葉県:和田村(わだそん)
南房総市の前身。読みは「むら」でも用いられましたが、自治体記録では「そん」の名残も確認されています。

九州地方における事例:大分県直川村

ご質問にあった大分県の直川村(なおかわそん)は、2005年に佐伯市へ合併。合併前の正式名称で「そん」が使われていた記録もありました。

こうした「そん」読みは、かつての日本の公文書・地図や、住民票などにも使われていたことがありますが、現在では「むら」読みが一般的となっています。

なぜ「そん」と読む村名が少なくなったのか

戦後の地方自治制度の簡素化、音読みから訓読みへの統一、自治体合併の進行が大きな理由です。特に平成の大合併により、小規模自治体の多くが市や町に吸収されました。

また、「そん」という読み方は旧制時代の表記や文書で多く、一般市民の口語とは異なるため、次第に使われなくなりました。

まとめ

かつては東日本にも「そん」と呼ばれる村名が存在していましたが、現在はほぼ消滅し、佐那河内村が最東端として残る希少な存在です。こうした村名の変遷には、歴史的背景や制度改革が密接に関係しています。自治体名の読み方から地域史を知ることもできるため、興味のある方は旧村名や郡区町村編制の記録を調べてみるのもおすすめです。

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