ジェットコースターで一瞬記憶が飛ぶのはなぜ?「気絶」に感じる現象の正体とそのメカニズム

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ジェットコースターに乗った後、「落ちる瞬間だけ記憶がない」「一瞬気を失ったみたい」といった体験をする人は意外と少なくありません。特にUSJのハリウッド・ドリーム・ザ・ライド(通称:ハリドリ)など、加速や落下が強烈なアトラクションでは、そのような体験を語る人が多く見られます。本記事では、なぜこのような「一時的な記憶喪失」や「気絶に近い感覚」が起こるのかを、医学的・生理学的な視点から解説します。

「落下の瞬間だけ記憶がない」はよくあること?

落下中の記憶が飛んでいるように感じる現象は、実際には珍しいことではありません。特に激しい重力変化(G)を伴うアトラクションでは、自律神経の乱れや、脳への血流が一時的に減少することで、記憶の定着に影響が出ることがあります。

これは「本当に気絶していた」というよりも、「極度の興奮やストレス状態で、脳が情報を記録しなかった」状態に近いと考えられています。

G(重力加速度)が脳に与える影響とは?

ジェットコースターでは最大3〜5Gもの重力加速度がかかることがあります。これは戦闘機のパイロットが受けるレベルに近く、一瞬とはいえ身体や脳への負荷は大きいです。

このようなGがかかると、脳の血流が一時的に減少し、「ブラックアウト(一時的な視覚喪失)」や「グレイアウト(視界が灰色になる)」などを感じることがあります。これはいわゆるG-LOC(G-induced Loss of Consciousness)に近い現象です。

実際に気絶している可能性はある?

完全な気絶(失神)と判断するには、周囲から見て「意識を失っていた」とわかるような状態である必要がありますが、ほとんどの場合はそこまで至らず、自覚のない軽度の意識混濁に近いものと考えられます。

よくあるのが、目を開けて声も出しているのに、本人の中では「何も覚えていない」という状態。これは脳が恐怖や興奮で処理しきれず、記憶を飛ばしているに過ぎません。

動画で見る「気絶する人」はなぜ多い?

YouTubeなどで見られる「ジェットコースターで気絶する人の動画」は、高度なGに慣れていない人の身体が限界を迎えた例とも言えます。特にアメリカなどの激しいライドでは、軽度の意識喪失を起こす人も多く、それがカメラに記録されているのです。

とはいえ、それらもほとんどは数秒以内に回復しており、医学的な意味での「危険な失神」ではないケースが大多数です。

ハリドリでの事例と体験談

USJのハリウッド・ドリーム・ザ・ライドは、加速感・浮遊感・音楽による臨場感が相まって、多くの人が「怖すぎて記憶が飛んだ」と話します。SNSやブログには、#ハリドリなどのハッシュタグで、多数の「一瞬記憶ないかも?」という投稿も見られます。

つまり、あなたと同じような体験をしている人はかなり多く、珍しいことではありません

気になるなら医師に相談も検討

もし頻繁に気絶感やめまい、意識が飛ぶ感覚を感じるようであれば、心臓や脳の機能を一度医師に相談して確認するのも安心です。しかし、ジェットコースターで一度だけ記憶が飛んだ程度であれば、多くの場合は生理的な現象であり心配は不要です。

まとめ:恐怖・興奮・重力が生む一瞬の「記憶の空白」

ジェットコースターで記憶が飛ぶような感覚は、激しい興奮やストレス、Gによる脳への影響によって起こる、ごく自然な現象です。ほとんどの場合、一時的なもので健康上の問題ではありません。

心配であればゆるめのアトラクションから再挑戦してみたり、次回は目を閉じずに景色をしっかり見てみるなど、自分に合った楽しみ方を探してみるのもおすすめです。

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