アメリカでの永住権(グリーンカード)を目指す上で、EB-3ビザは学士号以上を有する多くの専門職にとって現実的なルートのひとつです。特に、日本の大学や大学院を卒業した方にとって、どのような条件を満たす必要があるのかは大きな関心事でしょう。今回は、東京理科大学卒業者を例に、EB-3ビザの仕組みや取得のための要件について詳しく解説します。
EB-3ビザとは?基礎から解説
EB-3は米国の雇用ベース永住権カテゴリーの一つで、「学士号を持つ熟練職」や「その他の熟練職」に該当する人材が対象です。学歴や職歴に応じて以下の3区分に分かれます。
- Skilled Workers:最低2年以上の職歴がある職人・技能者
- Professionals:学士号(Bachelor’s degree)を必要とする職種
- Other Workers:非熟練労働者
東京理科大学や大学院での学位を取得していれば、通常はProfessionalsのカテゴリーに該当します。
EB-3申請の主な要件
EB-3ビザ申請のためには、以下の3つのステップが必要です。
- 雇用主のスポンサー獲得:アメリカの企業が正式な雇用オファーを出すことが必須です。
- 労働証明(PERM Labor Certification):そのポジションにアメリカ人労働者がいないことを証明する手続きが必要です。
- I-140申請とI-485(調整申請):USCISへの申請とステータス調整で永住権を取得します。
注意:個人の学歴や職歴だけでは申請できず、アメリカ企業との雇用契約が前提です。
日本の大学院卒業者は有利なのか?
東京理科大学や大学院を修了したこと自体は、EB-3申請に必要な「学士号」を満たす条件になります。ただし、EB-3の可否は学歴よりも職種とその雇用内容、さらに米国内での労働需要に左右されます。
例えば、ITエンジニア、理工系研究者、医療技術者などは比較的EB-3で受け入れられやすい分野です。
注意すべき点:EB-2との違いと待機期間
EB-3はEB-2(修士号以上、または優れた実績を持つプロフェッショナル)よりもビザ枠が多く取得しやすい反面、国籍別の待機期間(Visa Bulletin)によっては申請から数年単位で待つこともあります。
特にインドや中国国籍では遅延が顕著ですが、日本国籍の場合は比較的スムーズに進む傾向があります。
参考情報:グリーンカード取得の他のルート
EB-3以外にもアメリカの永住権を取得する方法はいくつか存在します。
- 抽選によるDVグリーンカード
- 米国人との婚姻
- EB-1(突出した実績保持者)
- 投資(EB-5)
詳細はこちらの情報も参考にすると良いでしょう。
まとめ:東京理科大学卒でもEB-3は現実的に目指せる
東京理科大学理工学部や大学院の卒業生が、アメリカ企業から正式な雇用オファーを受けた場合、EB-3の「Professional」カテゴリーでの申請は十分に可能です。大切なのは、学歴そのものよりも「雇用主の確保」と「職種の需要」が鍵であることです。ビザ取得の準備は早めに進め、経験豊富な移民弁護士に相談することを強くおすすめします。


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