なぜ万博は猛暑の夏を含む時期に開催されるのか?―その理由と背景を解説

博覧会

近年の日本の猛暑を考慮すると、万博の開催時期がなぜ春〜秋の暑さが厳しい期間に設定されるのか疑問に思う方も多いでしょう。この記事では、なぜ夏を含む会期が選ばれるのか、その背景や理由を多角的に解説します。

国際博覧会の開催時期はBIEルールに基づいて決まる

万博(国際博覧会)の開催は、BIE(博覧会国際事務局)の認可に基づいて行われ、申請時に開催期間を設定します。多くの国際博は「春〜秋」の約6か月間で提案されるのが慣例です。

この期間設定は、過去の万博でも主流とされており、2025年大阪・関西万博も例に漏れず、4月13日〜10月13日という夏を含む半年間の開催期間となっています。

世界中からの集客を見込むにはバカンスシーズンが有利

欧米諸国を中心に、多くの国々は6月〜8月に「バカンス(長期休暇)」が設定されており、この時期は海外旅行の需要が最も高まります。万博も世界規模の集客を目的としており、夏の観光ピークに照準を合わせることは合理的です。

例えば、1970年の大阪万博も3月15日〜9月13日という会期で開催されており、海外からの来場者数は約640万人に達しました。

日本国内の観光・行楽シーズンとも合致

日本国内においても、GW・夏休み・シルバーウィークといった大型連休が4〜10月に集中しています。これにより、家族連れや学生、企業の団体旅行の参加が促進されやすくなります。

特に夏休み期間は子ども向けイベントとの相性が良く、教育的な面からも万博の意義を伝えやすい時期とされています。

暑さ対策は開催都市・主催者の責務

当然ながら、酷暑リスクは無視できません。そのため主催者はミストファン、冷却スポット、日陰の整備、水分補給ステーションなど、暑さ対策のインフラ整備に力を入れています。

また、入場時間の分散化やナイトイベントの拡充なども検討されており、熱中症リスクの軽減に向けた対策が進められています。

もし秋冬開催なら?利点と課題のバランス

9月〜3月の開催なら暑さを回避できる一方で、次のようなデメリットも考慮されます。

  • 冬季は天候不良や日照時間の短さがイベント運営に影響
  • 屋外展示や緑地演出に制限
  • 海外の休暇シーズンとのタイミングが合わず、観光需要が減少

特に日本の冬は地域によっては雪や冷たい風などが障害となり、屋外施設中心の万博にとっては不利な条件が増えます。

まとめ:猛暑も折込済みの世界標準スケジュール

万博の開催時期には、観光・国際事情・経済波及効果といった多面的な要素が関わっています。猛暑の影響は確かに懸念点ですが、それ以上に海外集客と国内需要の最大化が優先されているのが実情です。2025年大阪・関西万博でも、気候変動を見据えた開催設計が重要なテーマとなっています。

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