鉄道と同様に、路線バスにも運行を安全・円滑に進めるための指令業務が存在します。この記事では、バス会社がどのように運行を管理し、トラブルや遅延にどう対応しているのかを紹介します。
バス会社にも存在する「運行指令室」
大手バス会社や公営交通では、「運行指令室」や「運行管理センター」と呼ばれる部門が設けられており、日々のバスの運行を監視・指導しています。
この部門では、バスが定刻通りに発着しているか、運転士に異常はないか、道路状況に問題はないかなどをリアルタイムで把握し、必要に応じて配車変更や運転士への連絡を行います。
GPSや無線を活用したリアルタイム監視
現在では多くのバスにGPSが搭載されており、運行指令室では各車両の位置をリアルタイムで把握可能です。これにより、遅延の発生やルート上の事故の早期発見が可能となっています。
加えて、無線機やIP無線によって運転士と指令室が常に連絡を取り合える仕組みも整っており、トラブル時には即座に対応が図られます。
事故・渋滞・遅延への対応体制
事故や渋滞によって遅延が発生した場合、指令室はすぐに周囲のバスに指示を出し、ルート変更や臨時便の設定を行う場合もあります。
例えば、都内の都営バスでは渋滞やイベントなどに応じて「区間運休」や「代行輸送」が迅速に行われることがあります。これはまさに鉄道の指令業務と同様の機能と言えるでしょう。
中小のバス会社では簡易的な体制も
一方で、地方の中小バス会社などでは、規模の関係で専用の指令室を持たず、営業所の事務員や運行管理者が兼務している場合もあります。それでも最小限の運行状況確認と連絡体制は確保されています。
また、車庫の出入りや点呼業務、休憩の指導などもこの管理者が担うケースが多く、運行管理の中枢として機能しています。
実際の指令業務の一例
例えば、関東バスでは「運行指令センター」が24時間体制で運行監視を行っており、乗客トラブルや道路封鎖などの非常時には運転士と連携して迅速にルート変更を行います。
このように、鉄道に匹敵する安全・確実な輸送を実現するための体制がバスでも整えられています。
まとめ
路線バスにも、鉄道のように運行全体を統括する「指令所」的な機能があります。GPSや無線を駆使し、事故・渋滞・遅延に柔軟に対応する体制が整っており、特に大手バス会社では鉄道と変わらぬ高度な運行管理が行われています。
今後はAIや自動配車システムの導入も進み、さらに効率的で安全なバス運行が期待されます。


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