有料道路を走行中に交通違反の取り締まりを受けた場合、「営業妨害だ」と主張して拒否できるのでしょうか?この記事では、警察の取り締まり権限や法的な根拠、実際の判例や対応方法について詳しく解説します。
有料道路での取り締まりは合法か
結論から言えば、有料道路内でも道路交通法の適用範囲内であり、警察による交通違反の取り締まりは合法です。警察には道路交通法第110条に基づく取締り権限があり、公道や有料道路を問わず、速度超過や通行区分違反などを取り締まることが可能です。
NEXCOなどの高速道路会社が管理する道路であっても、一般道と同様に警察官の立入権限は及びます。これは利用者が公道として使用しているため、違反行為があれば取り締まり対象となるのです。
営業妨害として主張できるのか
取り締まりを受けた際、「営業中だから妨害するな」と主張したくなるケースもありますが、法的には通用しません。取り締まりの対象となる行為が違反であれば、職業の有無にかかわらず警察による処理が優先されます。
営業妨害に該当するには、業務妨害罪(刑法第233条など)の構成要件を満たす必要がありますが、警察官が法令に基づいて職務を遂行している場合は該当しません。
実際のトラブル事例と判例
過去にタクシーや運送業者が「営業中に取り締まりを受けて損害を被った」として行政訴訟や異議申し立てを行った事例がありますが、多くは棄却または取り締まりの適法性が認められています。
例えば、スピード違反で検挙されたタクシー運転手が「乗客が降車して損害が出た」と主張した件では、「違反行為を行った時点で自己責任である」として取り締まりの正当性が認められました。
拒否した場合のリスクと対応
警察官の停止命令に従わなかった場合、「警察官職務執行法」違反や「道路交通法違反(免停・反則金の加重)」などの法的リスクが発生します。
また、逃走や無視と見なされれば、厳罰対象となる可能性もあるため、その場で指示に従うことが原則です。
取り締まりに納得できない場合の対処法
万が一、不当な取り締まりだと感じた場合は、その場で抗議するのではなく、後日正式な手続きで対応するのが正解です。具体的には、「反則金の支払いをせずに正式裁判を請求する」か、「監察官室や苦情申立て窓口へ通報」する方法があります。
また、ドライブレコーダーなどの客観的証拠がある場合は、それを元に主張することが有効です。
まとめ
有料道路でも警察による取り締まりは合法であり、「営業妨害だから拒否する」という主張は認められません。営業中であっても、違反行為があれば取り締まりの対象になります。
もし取り締まりに疑問がある場合は、冷静に対応し、後日正式な手続きで抗議・異議申立てを行うのが賢明です。


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