「草津温泉のpH2って強酸性なのに、なぜ肌はただれないの?」そんな素朴な疑問を持つ方は意外と多いものです。この記事では、強酸性・強アルカリ性の温泉と肌への影響、そして安全に入浴できる理由を科学的視点と実体験を交えてわかりやすく解説します。
pH値とは?温泉でよく見る「酸性・アルカリ性」の基準
pH(ペーハー)とは水溶液の酸性・アルカリ性を示す指標で、0〜14のスケールで表されます。中性はpH7、pH7未満は酸性、pH7より大きければアルカリ性です。草津温泉のようにpH2というのは、かなり強い酸性に分類されます。
ちなみに、レモン汁がpH2程度、胃酸はpH1〜2、石鹸水はpH8〜9程度とされています。つまり、草津の温泉はレモンと同じくらいの酸性度なのです。
なぜ強酸性の温泉に入っても肌が溶けないのか?
その理由は「濃度」と「接触時間」、そして「人体の保護機能」にあります。たとえば、pH2でも濃度が低ければ肌へのダメージはありません。草津温泉のような天然温泉は、水に希釈されており、刺激はあっても「皮膚がただれる」ようなレベルではないのです。
また、人間の皮膚には角質層というバリアがあり、軽度の酸性やアルカリ性に短時間触れる程度であれば耐えられる構造になっています。草津では数百年にわたり多くの人々が入浴しており、むしろ美肌や殺菌効果で知られています。
実際にpH2の草津温泉に入浴して感じる肌の変化
筆者が草津温泉を訪れた際、入浴後は少しピリッとした感覚があったものの、しばらくすると肌がつるつるになりました。これは酸性による角質除去作用とも言われています。肌の敏感な人は稀に赤みが出る場合もありますが、多くの人にとっては良い刺激になるようです。
一方、同じ強酸性でも工業薬品のように「濃度の高い硫酸」などに触れると瞬時に皮膚が損傷します。温泉はそこまで強くないため、安全に楽しめるというわけです。
注意が必要な人と入浴時のポイント
肌のバリア機能が弱い人(アトピー性皮膚炎や乾燥肌がひどい方など)は、酸性温泉で刺激を感じやすいため、事前にかかりつけ医へ相談するか、短時間の入浴から始めましょう。
また、顔を直接つけない、目に入らないよう注意する、長時間入りすぎないなどの基本的な入浴マナーを守ることも大切です。
まとめ:強酸性温泉は肌に優しい一面もある
草津温泉のようなpH2の強酸性温泉でも、正しく入浴すれば肌が溶けることはありません。濃度の薄さや皮膚の防御機能がうまく作用しているためです。むしろ古い角質を落とし、肌をなめらかにする効果もあることから、多くのリピーターに愛されているのです。
温泉のpH値を気にするのは大切ですが、それ以上に「濃度」「使い方」「体質に合うか」を意識すれば、より快適な入浴体験ができます。

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