空を見上げて「これはもしやF-4戦闘機?」と思えるような飛行機を目撃した経験は、航空ファンにとって特別な体験です。近年、日本ではF-4ファントムが引退したこともあり、目撃例はかなり珍しくなりました。しかし、そのような機体が現実に見られる可能性がまったくないとは言い切れません。本記事では、F-4に似た飛行機の正体や、フライトレーダーに映らない軍用機の事情について詳しく解説します。
F-4ファントムは日本で本当に引退したのか
F-4ファントムは、航空自衛隊で約50年にわたり活躍してきた名機です。主に百里基地を拠点とした第301飛行隊・第501飛行隊で運用されていましたが、2020年に偵察型RF-4Eが、2021年には戦闘機型F-4EJ改が退役し、完全に任務を終えました。
そのため、日本国内で運用中のF-4は存在せず、現在見ることができるのは各地の航空博物館やイベントで展示されている静態保存機体のみです。
なぜF-4に見えたのか?類似機体の可能性
一部の軍用機やチャーター機の中には、F-4とシルエットが似ているものがあります。たとえば。
- F-15(双発・双垂直尾翼の形状が似ている)
- F-2(細身の機体で、見る角度によっては似て見える)
- 退役F-4を保有する海外空軍(韓国・トルコなど)
特にF-15は日本国内でも多数配備されており、低空で飛行する場合はF-4と誤認するケースも珍しくありません。
フライトレーダーに映らない理由とは
フライトレーダー24などの民間飛行追跡サービスは、ADS-B(航空機の位置情報)を発信している航空機しか表示しません。これは原則として民間機・一部の商業チャーター機に限定されます。
一方、軍用機はセキュリティの都合上ADS-Bをオフにしている場合がほとんどです。したがって、フライトレーダーには表示されないのが通常です。つまり、フライトレーダーに映らなかった=軍用機の可能性が高いと考えられます。
韓国や米軍基地からの飛来の可能性
現在F-4を現役運用している国として有名なのが韓国空軍です。ただし、韓国国内でもF-4の退役は進んでおり、機数は限られています。また、日本領空を外国軍が飛行するには政府の許可が必要なため、F-4が日本の都市上空を飛ぶことはほぼ考えにくいです。
ただし、米軍基地所属の機体が一時的に低空訓練や回送飛行を行うことはあります。嘉手納基地や横田基地、三沢基地などからの飛来はその一例です。
音・飛行ルート・シルエットの特徴を見分けるポイント
仮にまた類似の飛行機を見かけた場合、以下のポイントを観察しておくと正体特定に近づけます。
- エンジン音(F-4は独特の重低音を持つ)
- 後方の排気ノズルの形状(F-4は丸型2基)
- 尾翼の数・傾き(F-4は垂直尾翼1枚)
- 機体のカラーリング(空自仕様や米軍迷彩など)
スマートフォンで動画を撮影しておくと、後からSNSなどで同じ目撃者を探すことも可能です。
まとめ:F-4に見えたその飛行機、現実の可能性と検証の方法
F-4は日本ではすでに引退していますが、見間違いや、別の機体が似て見えた可能性は十分にあります。また、軍用機であればフライトレーダーに映らないのも自然です。音・シルエット・色・飛行ルートなどの観察を記録しておくことで、次回からの識別精度も上がります。
航空ファンにとってこうした体験は貴重な観察機会です。ぜひ今後も空を見上げて、気づいたことを記録してみてください。


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