便宜置籍船とカボタージュ規制:船籍変更で間合い運用を避ける実例はあるのか?

フェリー、港

国際海運の文脈で「便宜置籍船」が船籍を主要顧客の国に変更する、つまり間合い運用を回避するための実例は存在するのかについて解説します。

カボタージュ規制とは何か?

カボタージュとは、外国登録船が国内港間で貨物や旅客を輸送することを制限する法律です。多くの国で外国船による国内運航は禁止または制限されています。これにより国内業者の保護と国家安全が図られます。

現在、世界の実に91か国以上がカボタージュ法を維持しており、外国登録船には国内港間輸送の免許制度適用など厳格な制約が課されています :contentReference[oaicite:0]{index=0}。

便宜置籍船(FOC船)とは?

便宜置籍船(Flag of Convenience)は、所有国とは異なる国に船籍登録される船で、税制や規制が緩い国を旗国とします。

これは所有者が運航コストや労働基準を緩和する目的で採用する登録手法であり、登録国と所有者国との間には必ずしも実質的関係がありません :contentReference[oaicite:1]{index=1}。

主要顧客の国に船籍変更する例はあるのか?

一般的に、便宜置籍船は国内カボタージュ法を回避する目的で運用されることはありません。むしろカボタージュ規制をクリアするには、旗国である必要があり、船籍変更は通常実用的な手段とはなりません。

ただし、例外的に特定国との共同事業や免除許可(カボタージュ・ワイバー)制度を活用して、特別なケースで外航船が国内作業に参加することは可能です。ただしこれは非常に限定的です :contentReference[oaicite:2]{index=2}。

日本における特殊事例: 海外ジャッキアップ船の船籍変更

例えば、オフショア風力発電工事で海外のジャッキアップ船が日本国内の海域で作業する場合、日本のカボタージュ法により日本籍に登録し直す必要があるケースがあります。

実際、欧州のDEME社が「Sea Challenger」を日本船籍に変更して対応した例が報告されています :contentReference[oaicite:3]{index=3}。

具体例

この事例では、海外資本による海洋作業船がプロジェクト参加のため一時的に日本の船籍登録を行い、作業に必要な国内運航を合法化しました。

まとめ:実在するが例外的なケース

便宜置籍船が主要顧客国へ船籍変更してカボタージュ回避をする、というパターンは基本的に存在しません。船籍を変えることで合法化されるわけではなく、規制対象となるからです。

もっとも、例外として日本など一定の条件下ではオフショア工事など特定プロジェクトに伴い、一時的に船籍変更を行うケースが存在するに過ぎません。

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