地方の貸切バス会社が大都市や有名観光地と連携して日帰りツアーを企画する例は多く知られています。一方で、都市や観光地側が前泊需要を掘り起こす目的で、地方在住者向けに営業展開を行う事例はどれほどあるのでしょうか。本記事では、都市側主導の誘客手法と地方誘致における顧客管理の課題を整理し、具体事例を交えて解説します。
都市側が前泊宿泊を呼び込む誘客戦略とは
一般的に都市側の観光地では、旅行会社や鉄道会社と提携し、都心泊や前泊を含めたパッケージを販売しています。これは「前泊・後泊ホテルプラン」と呼ばれ、出発地に関係なく泊まりを含めた移動・滞在計画を広く提供する手法です。
例えばクラブツーリズムでは空港や主要駅周辺のホテルに前泊をセットしたプランを提供し、旅行者が疲れずに初日を迎えられるよう配慮しています。([参照]で詳細)
地方向けに特化した前泊誘致はあるか?
地方出発者を対象に「都市側が前泊を呼び込む」スタイルの営業は比較的少ない傾向です。顧客の出発エリアごとに管理が必要となり、統一的なサービス提供が難しくなるからです。
その一方で、京都や北海道といった観光地では、多地域から訪れる旅行者を想定し、旅行会社経由で「前泊+現地1泊2日」などのパッケージを販売しています。都市側が主導するケースではなく、旅行代理店との連携による形ですが、結果として前泊需要を包含する仕組みができています。([参照]で旅行会社プランの例確認)
顧客管理が難しくなる理由とその対策
地方出発者を前提とした都市側営業では、出発ごとにルートや交通手段が異なるため、予約管理・顧客フォローが煩雑になります。日帰りと前泊では契約内容が異なり、サービス提供タイミングも多様化します。
この課題に対しては、CRMシステムの導入や旅行会社との一元管理体制構築、地域別の専用窓口設置などで対応する例もあります。このような仕組み作りは、中上級観光地で徐々に採用が進んでいます。
実例:京都など成功している地域の取り組み
京都では、JTB・近畿日本ツーリスト・HISなど大手旅行会社が全国規模で企画するツアーにおいて、「地方発→宿泊→観光」まで一貫したサービス提供を行っています。これは観光地側が直接営業するわけではありませんが、地方の前泊需要を結果的に取り込んでいる例といえます。([参照]で各社ツアー例)
こうしたモデルでは、地方ごとに異なる交通網や集合地点を吸収しながらも、最終的に都市側の宿泊需要を取り込む仕組みが機能しています。
まとめ
・都市側(観光地)が地方向けに前泊営業を直接行う事例は限定的ですが、旅行会社との連携によって間接的に前泊需要を取り込むケースが増えています。
・顧客ごとの出発地の違いから顧客管理は複雑になりますが、CRM導入や旅行会社との連携で対応可能な仕組みが整いつつあります。
・京都のように全国展開する旅行会社との協業で、実質的に地方→都市への前泊パッケージを提供するモデルが現実に機能しています。


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