用地がない鉄道再建構想は実現可能か?都市化と地下化の課題と選択肢

鉄道、列車、駅

都市化が進んだ地域で鉄道インフラの再建や新設を行うには、多くの課題が立ちはだかります。特に用地の確保が困難な場合、地下化などの代替案が検討されることがあります。本記事では、伊予鉄道森松線の復活構想を題材に、用地確保の難しさと解決策、地下鉄方式の実現性などについて解説します。

伊予鉄道森松線の廃止と地域の変化

かつて存在した伊予鉄道森松線は、利用者数の減少を理由に昭和40年に廃止され、代替としてバス路線が整備されました。しかし、その後、砥部町のベッドタウン化やニンジニアスタジアム・とべ動物園といった集客施設の建設により、国道33号の渋滞が慢性化。鉄道の必要性が再び注目されるようになりました。

このような地域変化は、交通インフラのあり方を再考する契機となっています。

鉄道再建の最大の課題:用地の確保

都市部では、既に住宅地や商業施設などで土地が占有されており、新たに線路を敷設するための用地確保が極めて困難です。既存道路や河川敷、廃線跡などを活用できればよいですが、伊予鉄道森松線のように既に再開発されている地域では現実的な選択肢が限られます。

また、用地取得には高額なコストと長期の調整が必要であり、地権者との交渉も大きな障壁となります。

地下化は万能ではない:利点と課題

都市部において鉄道整備の手段としてしばしば挙げられるのが「地下化」です。地下鉄であれば地上の土地利用に干渉せず、用地問題を回避できるというメリットがあります。

しかし、地下鉄建設には1kmあたり100億円以上の費用がかかることもあり、地方自治体にとっては財政的な負担が大きく現実的でないケースも多いのが実情です。また、地質調査や地下埋設物の移設、換気・避難設備の確保なども課題となります。

LRTやBRTのような柔軟な代替案

鉄道に代わる交通インフラとして、LRT(次世代型路面電車)やBRT(バス高速輸送システム)が注目されています。これらは既存の道路を活用しつつ、信号制御や専用レーンによって定時性・速達性を確保する方式です。

たとえば富山市では、中心市街地の活性化に向けてLRTを導入し、成果を上げた事例があります。砥部・松山エリアでも、国道33号の中央分離帯を活用したLRT導入といった構想は、実現可能性が高い代替策として検討に値するでしょう。

国道の交通需要と渋滞緩和策

現在、森松線の廃線跡に重なる国道33号は慢性的な渋滞に悩まされています。オムニバスタウン事業の一環として公共車両優先システム(PTPS)なども導入されていますが、バスが車両混雑に巻き込まれる限り、抜本的な解決は困難です。

鉄道やLRTの導入は、渋滞の根本原因となる「輸送モードの集中」を緩和し、移動の選択肢を増やすという意味でも効果的です。

まとめ:未来の公共交通をどう描くか

伊予鉄道森松線の復活構想を巡っては、都市化と用地不足が大きな障壁となっています。地下化は理想的に思えるものの、コストや技術的課題が立ちはだかります。現実的には、既存インフラを活かしたLRTやBRTなど、柔軟かつ段階的なアプローチが有望です。

地域の実情に合った交通インフラを選択し、住民の利便性と持続可能な都市づくりを両立することが、これからの鍵となるでしょう。

[参照] 伊予鉄道森松線 – Wikipedia

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