地震や津波発生時、港に停泊している大型客船はどのように対応するのか──特に乗客が陸上にいる場合、安全確保はどうなるのか気になる方も多いはずです。この記事では、津波警報時における客船と乗客の安全対応について解説します。
大型客船は津波発生時に沖に出るのか?
基本的に、大型船舶は津波の発生が予想される場合、港内にとどまるよりも沖合へ出る方が安全とされています。深海では津波の波高が小さく、船体に与える影響が少ないためです。
実際、多くの港湾管理者や船舶運航会社は、津波警報の発表と同時に乗員へ待機指示を出し、場合によっては速やかに沖に出る準備を進めます。ただし、これはあくまで船の状態がすぐに出港可能であることが前提です。
陸にいる乗客はどうなるのか?
乗客が陸にいる場合は、まずは地震や津波に備えた高台や避難所への避難が最優先となります。港湾施設やクルーズ船会社では、地元自治体と連携し、緊急時の避難ルートや集合場所をあらかじめ案内しています。
客船が沖合へ出た場合でも、津波が収束し安全が確認されるまで、乗客の再乗船は見合わせとなるのが一般的です。乗客の安全が完全に確認されるまで、船も港に戻らないよう運用されます。
実際の事例:津波警報発令時のクルーズ船の動き
たとえば2022年のトンガ沖火山噴火の際には、日本各地の港に停泊中のクルーズ船が警報を受け、一部が乗客を下船させた上で沖合に退避したケースも報告されています。乗客は港周辺の避難所に誘導され、津波警報解除後に再度乗船する対応が取られました。
また、客船によっては自前の緊急避難マニュアルに従い、乗客への説明放送やスタッフの誘導が徹底されていることもあります。
津波警報時の乗客と船舶の対応フロー
- 港の管理者・船会社が警報を確認し、即時対応体制を整備
- 船内にいる乗組員は出港準備または係留強化を行う
- 陸上の乗客は避難放送や誘導に従い、安全な場所へ移動
- 状況次第で船は沖合へ退避、乗客とは別行動となる
- 安全確認後、乗客と船が再合流する
安全確保のために私たちができること
乗船中または乗船予定の方は、事前に避難経路や緊急時の対応マニュアルを確認しておくことが重要です。また、クルーズ旅行では現地ガイドや係員の説明をよく聞き、災害発生時は冷静に対応しましょう。
スマートフォンに気象庁アプリなどを入れておけば、リアルタイムで警報情報を確認できるため便利です。
まとめ
津波警報時に大型客船が沖合に退避するのは、船と港の安全を確保するための措置です。乗客が陸にいる場合でも、避難誘導が適切に行われる体制が整っており、港やクルーズ会社の案内に従うことで安全を確保できます。
万が一の災害時にも慌てず行動できるよう、あらかじめ情報を把握しておくことが何より大切です。


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