最近ブームのサウナや交代浴。サウナがない銭湯でも、熱いお風呂と水風呂を交互に入ることで「ととのう」感覚を味わえると言われています。しかし、熱い湯に浸かっているときにフワフワしたり、目が回るような感覚になることがあり、それを「整い」と勘違いする人も少なくありません。
そのフワフワ感、実は「脳貧血」かも?
熱い湯と水風呂を交互に繰り返すと、血管が急激に拡張・収縮します。これにより、血圧が大きく変動し、一時的に脳への血流が減る「脳貧血」のような状態が起きることがあります。
脳貧血は立ちくらみや目の前が暗くなる、ふわっとするなどの症状を引き起こし、ひどい場合には意識を失うこともあります。これは「ととのい」ではなく、身体の防御反応であり、危険なサインです。
「ととのう」とはどういう状態か?
サウナ愛好家が語る「ととのい」とは、交代浴による交感神経と副交感神経のバランスが整い、深いリラックス状態に入ることを指します。頭がスッキリし、全身が軽くなる感覚がある一方で、ふわふわ感やめまいは本来含まれません。
そのため、「目が回る=ととのい」ではなく、むしろそれは危険信号である可能性が高いのです。
リスクを高める要因
- 水分不足や空腹状態での入浴
- 長時間の高温浴や水風呂の反復
- 脱衣所での不十分な休憩
- 気温差の激しい冬季や、体調不良時の入浴
これらの条件が重なると、一過性脳虚血発作(TIA)やヒートショックといった危険な症状につながる可能性も。
安全に交代浴を楽しむコツ
1セット5分以内の温冷浴+10分の休憩を目安にしましょう。水分補給をしながら、浴室外でしっかりと休憩をとることで、自律神経の乱れを抑えることができます。
また、日本サウナ・スパ協会が推奨する「サウナ→水風呂→休憩」の基本ルールを応用することで、安全な整い体験が可能になります。
医師の見解と注意点
医師によると、「お風呂の入り方次第で循環器系に大きな負荷がかかる」とされており、特に心臓や血圧に不安のある方は要注意です。
もし入浴中にフワフワ感・めまい・息苦しさ・吐き気などの症状が現れた場合は、すぐに浴槽から出て、横になって安静にする必要があります。
まとめ
熱いお湯と水風呂を繰り返す交代浴は、正しく行えばリラックス効果がありますが、目が回る・フワフワする感覚は「整い」ではなく、身体からの警告かもしれません。
安全に楽しむためには、水分補給・休憩・入浴時間の調整が大切です。無理せず、自分の体と対話しながら楽しみましょう。


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