タクシー業界で長年勤務している方にとって、個人タクシー開業はキャリアの一つの到達点です。この記事では、東京で個人タクシーを開業するために必要な条件や流れを、埼玉県など他地域からの転入者のケースも含めて解説します。
個人タクシーの開業に必要な基本条件とは
まず、国土交通省が定める基準に基づき、個人タクシーの開業には次のような基本条件が必要です。
- 年齢が65歳未満(新規申請時点)
- 一定年数以上のタクシー運転経験
- 過去2年間に重大な交通違反がないこと
- 営業区域ごとの要件を満たしていること
これらは全国共通の条件であり、特に安全運転実績が重視されます。
東京での必要なタクシー経験年数
東京23区・武三地区(武蔵野市・三鷹市を含む)では、以下のような運転経験が求められています。
- 過去10年間でタクシー乗務員として10年以上の経験(直近5年間に5年以上のうち、東京の事業者に所属している必要あり)
- または、国土交通大臣が認定した特例基準を満たす場合(過去20年間で10年以上、うち1年以上が東京の事業者での勤務など)
埼玉で12年勤務されていた場合、そのうち東京の事業者に所属した期間が必要になる点に注意が必要です。
地域別の条件の違いと注意点
東京での個人タクシー開業には、他の地域よりも要件が厳しく設定されているのが特徴です。埼玉や神奈川で開業する場合と比べ、東京では「直近の勤務先が東京の法人タクシー会社であること」が重要視されます。
たとえば、埼玉で12年勤務し、すぐに東京で個人開業したい場合、まず東京のタクシー会社に転籍して、必要な年数分の勤務実績を積む必要があります。
実例:埼玉から東京へ転籍したケース
ある運転手は、埼玉県で10年間勤務したのち、東京の法人タクシー会社に3年間勤務し、合計13年の経験と東京での実績を加えて個人タクシーを開業しました。
このように、東京での勤務年数をきちんと積めば、地方からの転入者でも個人タクシー開業は可能です。
申請から許可までの流れ
個人タクシーの開業には、申請から開業まで半年〜1年ほどの時間を要します。主な流れは以下の通りです。
- 東京の法人タクシー会社で勤務し、所定の経験年数を満たす
- 地元のタクシー協会(たとえば東京ハイヤー・タクシー協会)に相談
- 申請書類提出・面接・筆記試験
- 車両購入・車検・営業ナンバー取得
- 個人タクシーとして開業
事前に相談窓口や研修制度を活用すると、よりスムーズに進められます。
まとめ:東京で個人タクシー開業を目指すには
東京で個人タクシーを開業するには、地域特有の要件を正しく理解することが大切です。埼玉県での経験は十分に価値がありますが、東京での実務経験が必要な場合もあるため、早めに転籍・相談を始めることをおすすめします。
東京ハイヤー・タクシー協会などの公式情報も確認しながら、計画的に準備を進めましょう。

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