動物園といえば、さまざまな動物たちが元気に暮らす姿を間近で見ることができる場所ですが、その裏側では動物たちの健康を守る専門職の存在が欠かせません。この記事では、動物園における獣医師や動物看護師の役割、雇用形態、実際の業務内容について解説します。
動物園には獣医師が常駐しているのか?
多くの動物園では、専属の獣医師が1名〜数名常駐しています。これは動物の体調変化に素早く対応し、病気の早期発見・治療を行うために必要不可欠な体制です。大規模な動物園では専門科に分かれた獣医チームを構成しているところもあります。
一方で、小規模な動物園や地方の施設では、非常勤の獣医師や外部の動物病院と連携して診療体制を構築しているケースも見られます。獣医師の雇用形態は園の規模や自治体の予算などにも影響されます。
動物看護師の役割と配置の現状
動物園で活躍するのは獣医師だけではありません。近年では「動物看護師」(愛玩動物看護師)も注目されており、特に注射・投薬の補助、検査サポート、飼育日誌の記録などを通じて、獣医師と飼育員の橋渡し役を担うことが増えています。
ただし、すべての動物園に動物看護師が配属されているわけではなく、まだ導入の段階にある園も多いのが現状です。獣医師が看護業務まで兼任している園もあります。
動物の診療はどのように行われる?
動物園では、日々の観察と記録を重視しています。飼育員が動物の食欲や排泄、行動の違いに気づき、それを獣医師に報告することで診察が始まります。異常が疑われた場合には、血液検査やレントゲン、超音波などの医療機器を使って診断を行います。
たとえば、大阪市天王寺動物園では、園内に「動物病院棟」があり、一般的な手術室、検査室が整備されています。猛獣や大型動物は麻酔下で診療が行われることもあり、設備と高度な知識・経験が求められます。
外部との連携体制について
動物園によっては大学病院や獣医系大学と連携し、専門的な知見を取り入れたり、特殊な手術を外部で実施することもあります。たとえば、動物園内で対処困難な眼科手術や歯科処置などは、専門機関に依頼するケースがあります。
また、公益社団法人・日本動物園水族館協会(JAZA)に加盟している施設では、加盟園同士で医療・繁殖・飼育技術の共有も積極的に行われています。
動物の健康管理はチームワークが鍵
動物園の動物たちは、飼育員・獣医師・看護師・研究者といった多職種の連携で健康が守られています。動物の体調は言葉で表現できないため、日々の観察や些細な変化に気づくことが重要です。
例えば、あるゾウが朝から水を飲まないという異常があったとき、飼育員の報告から獣医師が出動し、血液検査を経て感染症が発覚、迅速な治療で回復したという事例もあります。
まとめ:動物園の裏方で支える専門職の存在
動物園には獣医師が常駐しているケースが多く、動物看護師や外部医療機関とも連携しながら、動物たちの命と健康を守っています。表からは見えにくいですが、彼らの専門的知識と献身的なケアによって、私たちは安心して元気な動物たちと出会うことができるのです。


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