「撮り鉄にヤバい人が多い」という印象を持つ人もいるかもしれませんが、それは一部のトラブル事例が大きく報道されていることに起因しています。実際にはマナーを守って活動している撮り鉄が多数派であり、ごく一部の迷惑行為が目立ってしまっているのが現状です。本記事では、撮り鉄のトラブル例とその割合、鉄道趣味界隈の構造、そして撮り鉄文化の真の姿について掘り下げていきます。
撮り鉄とは?鉄道ファンの中でも多様なジャンルのひとつ
「撮り鉄」は鉄道を“撮影”することを主な目的とする鉄道ファンの一群を指します。中には車両そのものに魅力を感じて撮影する人、走行シーンを狙う人、駅撮り派、廃線跡を撮る人など、多様なスタイルがあります。
なお、鉄道ファンには他にも「乗り鉄(乗車が好き)」「音鉄(走行音などを録音)」「模型鉄」「時刻表鉄」などが存在し、撮り鉄はあくまでその一分類に過ぎません。
「ヤバい撮り鉄」は本当に多いのか?
ニュースやSNSでは「線路に侵入した」「怒鳴り声をあげた」などの迷惑行為がしばしば報道され、“撮り鉄=マナーが悪い”という印象が定着しつつあります。しかし、実際の割合を示す公的な統計は存在せず、あくまで「ごく一部」の事例が強調されているに過ぎません。
鉄道ファンのSNSや現地レポートでも「9割以上は普通の人で、むしろマナー向上を意識している」という声が多数。いわゆる“ヤバい人”は1割未満であるというのが現場の肌感覚といえるでしょう。
過去に話題となったトラブル事例とその背景
撮り鉄が関与した迷惑行為で特に目立った事例には以下があります。
- 線路内立ち入り:撮影目的で立ち入り禁止区域へ進入(法的に違法)
- 場所取りトラブル:三脚を並べすぎて他人と揉める
- 罵声大会:他者を大声で罵倒する様子がSNSで拡散
これらはいずれもマナーやモラルを逸脱したものであり、「撮り鉄全体の問題」ではなく、個人の問題行動が“カテゴリ全体”にレッテルを貼っている構図です。
マナー向上への取り組みと撮り鉄自身の声
撮り鉄のコミュニティ内では、マナー向上の動きも確実に広がっています。各撮影地では常連ファンが率先して注意喚起を行ったり、SNSでのトラブル抑止呼びかけが行われたりと、自浄努力も目立ちます。
また、鉄道会社側も協力体制を強化しており、JR東日本などはイベント列車の運行時に「撮影マナー啓発ポスター」や「安全な撮影ポイントの事前周知」などを実施。ファンと事業者の関係性改善も進められています。
鉄道趣味が抱える「偏見」と向き合うには
撮り鉄に限らず、趣味集団の一部が問題を起こすと、そのグループ全体がネガティブに見られる現象は珍しくありません。これは鉄道ファンに限らず、キャンプや登山、ゲーム、アニメなどあらゆる趣味で起こり得ます。
だからこそ、私たち一人ひとりが「見た一例=全体の代表」と捉えず、“多数の良識派がいること”に目を向ける意識が必要です。
まとめ:ヤバい人は一部。マナーを守る撮り鉄が大多数
「撮り鉄はヤバい人が多い」というイメージは、実際にはごく一部の迷惑行為が目立っているに過ぎません。大多数のファンはマナーを守り、鉄道の魅力を写真で伝えるという趣味を純粋に楽しんでいます。趣味に偏見を持たず、正しい知識と視点で見ていくことが、互いに気持ちよく共存する第一歩になるでしょう。


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