動物園で働く獣医師というと、多くの人が「公務員なのでは?」という疑問を持ちます。特に市立や県立などの公営動物園で勤務している場合、その雇用形態や身分については一般にはあまり知られていません。この記事では、市立動物園に勤務する獣医師が本当に公務員なのか、実際の働き方や採用制度とあわせて詳しく解説します。
市立動物園の運営形態と職員の立場
市立動物園は基本的に市が運営する公共施設であり、その職員は市の職員、つまり地方公務員であることが一般的です。動物園に配属されている獣医師もまた、多くの場合は市の職員として採用されています。
例えば、東京都や大阪市、名古屋市などの市立動物園では「獣医師」の職種として自治体が公募を行い、合格後に市の職員として任命されます。このため、市立動物園で働く獣医は原則として公務員という立場になります。
民間委託されている動物園の場合
ただし、すべての市立動物園が完全に直営されているわけではありません。最近では業務の一部、あるいは運営そのものを民間企業に委託しているケースもあり、その場合は獣医師が公務員でない可能性もあります。
たとえば、飼育員業務は民間企業が担い、施設管理やイベント企画も外注されている場合があります。そうした動物園では、獣医師も委託企業に所属する形で雇用されていることがあり、この場合は民間の獣医師となります。
獣医師として市に採用されるには?
地方公務員として動物園に配属される獣医師になるには、「地方公務員試験(獣医師職)」を受ける必要があります。自治体ごとに試験内容や募集時期は異なり、多くは「技術職(獣医師)」という区分で採用されます。
実際の業務内容は動物園での診療だけでなく、保健所や動物愛護センターなどへの異動もありえます。市全体の組織の一部として採用されるため、配属先は動物園に限らないケースもあるのです。
具体的な市立動物園の採用事例
大阪市の天王寺動物園では、過去に市職員として獣医師を公募していた例があります。募集要項には「大阪市会計年度任用職員(獣医師)」として明記され、給与や勤務条件も公務員規定に準じていました。
また、札幌市円山動物園などでも、定期的に獣医師の募集を市のホームページ上で行っています。これらの公募情報からも、市立動物園で働く獣医師は原則として公務員であることがわかります。
まとめ:市立動物園の獣医師は基本的に公務員
市立動物園に勤務する獣医師は、多くの場合で市の職員、すなわち公務員として採用されています。ただし、運営が民間委託されている場合は、その限りではありません。採用形態や身分については、各自治体の募集要項を確認することが最も確実です。
動物園での獣医師としてのキャリアを目指す方は、地方公務員試験の情報をこまめにチェックし、自治体ごとの募集状況を把握することをおすすめします。


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