日本とイギリスの二重国籍を持つ方向けに、オーストラリアの永住権(PR)取得や将来的な市民権取得において、どちらの国籍が有利かを専門視点で整理しました。
コモンウェルス(Commonwealth)出身国の特別な優遇はあるのか?
イギリスはコモンウェルス加盟国ですが、オーストラリアの移民制度において“特別優遇”という公式制度は現時点で存在しません。「英国出身だから優先」というような申請上の明確な加点要素はありません。([turn0search21])
求人や英語能力では心理的な馴染みや共通言語というソフトな利点はあるものの、移民ビザそのものはポイント制に従った評価になります。([turn0search1])
日本籍と英国籍――ビザ取得の違いとポイント制
永住権取得に必要な経済技術系ビザ(例:Skilled Independent 189ビザなど)は、年齢、学歴、職歴、英語スコア、職業リスト適合性などによるポイント加点制です。出身国による枠の優遇は存在しません。([turn0search5])
イギリス籍であっても日本籍であっても、同じ基準で判断されます。ただし、英語母語話者であればIELTSなどのスコア取得で有利になる傾向があります。
永住権取得後の市民権申請と日本の二重国籍
オーストラリア市民権は、通常「永住権保持者で4年以上居住、直近1年はPR期間1年以上、かつ通算滞在期間制限を満たすこと」が必要です。([turn0search22])
イギリス籍・日本籍いずれかでオーストラリア国籍を取得しても、日本側の法律では二重国籍を認めていません。原則、日本国籍は失効対象となることがあるためご注意ください。
英国籍側の旅行・入国上のメリット
英国国籍者は観光ビザ(電子滞在許可:eVisitor subclass 651)やETAが比較的簡単にオンラインで発給されます。申請費用も無料かごくわずかです。([turn0search20])
ただしこれは観光や短期出張目的であり、永住権取得には該当しません。
比較まとめと判断ポイント
| 視点 | イギリス籍 | 日本籍 | 差異 |
|---|---|---|---|
| 永住権取得可否 | ポイント制で同等 | 同上 | 特段の優遇なし |
| 英語スコア取得 | 英語母語者で有利 | 英語第二言語扱い | やや有利 |
| 観光ビザ申請(短期) | eVisitor無料 | ETA有料 | 少し便利 |
| オーストラリア市民権取得後 | 日本国籍失効の可能性 | 同上 | 共通リスク |
まとめ:どちらが「有利」か?
永住権取得については、イギリス籍であっても日本籍であっても、ポイント制に基づく評価であり、出身国による特別な優遇制度は存在しません。
ただし、英語母語話者である英国籍を使えば英語スコアの取得でやや有利になるケースはあります。また短期旅行での電子ビザ申請が無料になるなどの利便性はあります。
将来オーストラリア市民権を取得する際、日本側では二重国籍が認められていないため、日本国籍を失う可能性がある点を特にご留意ください。


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