航空機撮影において、迫力ある写真を撮るための技法として人気なのが「流し撮り」です。高速で移動する被写体をブレずに写しつつ、背景を流すことでスピード感や臨場感を演出できます。この記事では、飛行機の流し撮りの基本から実践のコツ、よくある失敗例までを詳しくご紹介します。
流し撮りとは?その基本原理を理解しよう
流し撮りとは、被写体(この場合は飛行機)の動きに合わせてカメラを水平に動かしながらシャッターを切る技法です。これにより、被写体はシャープに写り、背景が流れて動きが強調されます。
言い換えれば「カメラを動かしながら撮る」ことは正解です。ただし、重要なのは“被写体の速度と向きを正確にトラッキングすること”であり、カメラをただ振るだけでは流し撮りになりません。
必要な機材と推奨設定
流し撮りには以下のような装備があると成功率が上がります。
- シャッタースピード優先モード(TvまたはS)対応のカメラ
- 望遠レンズ(200mm〜600mmが理想)
- 手ブレ補正(IS/VR)機能付きのレンズ
- 一脚やモノポッド(長時間撮影時に便利)
設定の目安としてはシャッタースピードを1/125〜1/250秒程度にすると、適度に背景が流れてスピード感が出ます。初めは1/250秒あたりから練習し、慣れてきたら1/60秒などに挑戦してみましょう。
飛行機流し撮りのおすすめシチュエーション
飛行機の離陸や着陸時、または滑走路をタキシングしている瞬間が特に流し撮りに適しています。機体が横方向に動くので、カメラのパンがしやすく成功率も高まります。
実例として、羽田空港の第2ターミナル展望デッキや成田空港のさくらの山公園は流し撮りスポットとして人気です。背景も空港らしく、構図が映えやすいです。
成功のためのコツと練習方法
流し撮りは慣れと練習が必要な技法です。以下のコツを参考にしましょう。
- AF-C(AIサーボ)でピントを追従させる
- 顔やロゴなど被写体の明確な部分にピントを合わせる
- 手や足ではなく、腰の回転でカメラを動かす
- シャッター後も動きを止めずに「追い続ける」意識を持つ
また、野鳥や自転車などの比較的ゆっくりした動きで練習すると、飛行機でも精度が上がります。
よくある失敗と対処法
背景も機体もブレてしまう場合、シャッタースピードが遅すぎる可能性があります。まずは1/250秒程度から始めて、自信がついたら徐々に速度を落としましょう。
また、被写体のトラッキングに集中しすぎて画角がズレることもあるので、ズームの使い方や立ち位置にも注意が必要です。
まとめ:カメラを動かすだけでなく「追う技術」が鍵
飛行機の流し撮りは、ただカメラを動かすだけでは成功しません。動く飛行機をスムーズにトラッキングしながらシャッターを切るという技術の積み重ねです。
最初は失敗が多いかもしれませんが、何度も練習を重ねることで確実に上達します。流し撮りをマスターすれば、飛行機撮影の世界が一気に広がるはずです。


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