最近はシェアリングサービスや個人送迎の機会が増え、「お礼としてお金を受け取ると白タクになるのか?」という疑問を持つ人が増えています。この記事では、友人や知人を車で送迎してお礼をもらった場合、それが白タク行為に該当するかについて、法律の観点から解説します。
◆ 白タクとは何か?
「白タク」とは、一般人が営業許可を持たずに自家用車(白ナンバー)で有償の旅客運送を行う違法行為を指します。道路運送法第4条および第78条などに違反する行為であり、罰則も厳しく設定されています。
商業的な目的で不特定多数の人を有償で送迎した場合、明確に白タクに該当しますが、知人への善意の送迎における実費程度のお礼は必ずしも違法とは限りません。
◆ お礼として受け取るお金の扱い
友達を駅まで送った際に「悪いから…」といって受け取る500円や1,000円程度の金銭は、厳密には対価性がないとみなされる可能性が高いです。これは、単なるガソリン代や駐車代としての実費相当分であり、継続性や営業性がないため、通常は白タクとされません。
しかし「毎週送迎をして毎回お金をもらっている」など継続性・営業性があると判断されるケースでは、白タクに該当する可能性も出てきます。
◆ 法律の解釈とグレーゾーン
道路運送法上では、「有償性」「反復継続性」「不特定多数の運送」がそろったときに違法な白タク行為とされます。たとえば友人を1回送っただけで少額の謝礼を受け取る程度であれば、法的に問題になるケースはほとんどありません。
ただし、SNSなどで「お金を払ってくれれば送るよ」と不特定の相手に対して声をかけていた場合、それは営業とみなされる可能性が高く、白タクと判断されるリスクがあります。
◆ 実際の取り締まり事例
近年では、空港や駅周辺で待機し、不特定の旅行者を送迎して金銭を受け取っていた個人が「白タク営業」として逮捕されたケースもあります。このような行為は道路運送法違反として厳しく取り締まられます。
一方、家族や知人を送迎した際にお弁当をもらったり、感謝の気持ちでコーヒー代を受け取ったような事例で摘発されたケースは極めてまれです。
◆ お礼の受け取り方の工夫
お金を受け取るのが気になる場合は、現金ではなく「飲み物をおごってもらう」「食事代を出してもらう」など、金銭以外の形で感謝を伝える方法もおすすめです。これなら法律上のグレーゾーンを避けることができます。
また、受け取る金額がガソリン代などの実費相当であることを自分でも明確にしておくと、安心して行動できます。
◆ まとめ:友人間の送迎は常識の範囲で
友人や家族への送迎で少額のお礼を受け取ることは、一般的には白タク行為には該当しません。ただし、それが反復的かつ営業性を帯びたものになると違法とされるリスクもあります。
日常の中の善意の送迎は、感謝の気持ちと常識の範囲内で行動すれば、問題になることはほとんどありません。


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