湖西線で運行されていた113系電車が、前面に“普通”幕ではなく「湖西線」幕を掲出していた理由を、歴史的背景と実例を交えて詳しく解説します。
湖西線113系とは?
1974年の湖西線開業に合わせて登場した113系700番台(後に5700番台)と、1980年以降の2700番台は耐寒・耐雪仕様が特徴で、湖西線専用機として運用されました :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
これらは京都支所に所属し、湖西線・草津線の普通列車で走り続け、2023年3月末のダイヤ改正で引退しました :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
前面に“普通幕”が見られなかった理由
京都駅などで113系が使用していた幕は、種別を示す“普通”ではなく、路線名「湖西線」の表示が主流でした。
実際、堅田行き普通列車で113系を撮影した記録でも、前面幕には行き先ではなく「湖西線」とだけ表示されており、“普通”の表記は確認されていません :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
なぜ「普通幕」が使われなかったのか?
多くの国鉄時代の電車は種別と行先を前面幕で示しましたが、湖西線における113系では路線名優先の表示方式が定着しました。
この方式は、113系が快速や新快速とは別扱いのローカル普通列車として位置づけられていたため、種別よりも路線名での区別が重視されたと考えられます。
実例で見る表示パターン
京都駅3番線に入線した堅田行き113系普通列車では、前面幕に「湖西線」とだけ表示されていて、種別の表示はなく、側面LEDにも「湖西線 堅田」と表示されていた例があります :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
また、同線の117系でも同様に、前面幕は種別ではなく路線名を掲出していた記録が残っています。
比較:他線区と113系の幕表記
例えば東海道本線や横須賀線を走っていた113系では、種別幕に“普通”や“快速”といった表示が使われていた例も多く、それが湖西線とは異なる特徴です :contentReference[oaicite:4]{index=4}。
ですから「普通幕=種別表示」が一般的に用いられていた名残とは異なり、湖西線113系では路線名幕が標準仕様だったと言えます。
まとめ
湖西線で運用された113系が、前面に“普通”幕を出さず「湖西線」幕を掲出していたのは、種別ではなく路線名で乗客に列車情報を伝える方式を採用していたためです。
つまり、「京都駅で“普通幕”を見たことがない」という質問に対しては、それがごく自然な表示スタイルだったという答えになります。


コメント